研究課題/領域番号 |
17035044
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正浩 京都大学, 工学研究科, 教授 (20174279)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ロジウム / ボロン / 不斉反応 / 有機合成化学 / 有機金属化学 / ノルボルナン骨格 / アシル化 / 炭素-炭素結合生成反応 |
研究概要 |
ノルボルナン骨格は二環性モノテルペン類の基本骨格であり、その骨格を有する天然物あるいは合成品は医薬、香料、化学工業などで広く用いられている。最近、我々はロジウム触媒を用いたアリールホウ素化合物の付加反応において生成する有機ロジウム中間体を利用した、連続的な炭素-炭素結合生成反応の開発を行っている。平成17年度は、エステル部位を持つエンイン化合物を合成し、この基質を用いて連続的な炭素-炭素結合生成反応を試みた。その結果、不斉配位子としてBINAPを持つロジウム触媒の存在下で加熱したところ、ノルボルナン骨格を持つ環状ケトンが高収率ならびに高エナンチオ選択的に得られた。まずロジウムがアリールホウ酸と金属交換した後に、アルキンに1,2-付加しビニルロジウム中間体を与え、さらに分子内でアルケンに付加してアルキルロジウム中間体になる。この際、アルケンの面に対しエナンチオ選択的に付加するため、キラルな生成物を与える。最後に、アルキルロジウム中間体が分子内のエステルによってアシル化され、ノルボルナン骨格を持つ環状ケトンが生成したものと考えられる。上記の反応は、一挙に三つの炭素-炭素結合が生成している点、有機ロジウム中間体が分子内のエステルによってアシル化されている点で機構的に斬新である。加えて、簡便に供給可能な原料を用い、複雑な構造をしたノルボルナノン誘導体を立体選択的に合成できる点で合成化学的にも興味深い反応である。
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