研究課題/領域番号 |
17035046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / インドラクタム / CH / π相互作用 / C1ドメイン / 発がんプロモーター / ベンゾラクタム |
研究概要 |
発がんプロモーターの主要なターゲットであるプロテインキナーゼC(PKC)には、10種のアイソザイムが存在する。放線菌の産生するindolactam-V(1)は、nMオーダーでPKC C1ドメインに結合する。一方、1のインドール環をベンゼン環に置換したbenzolactam-V8(2)は、1と同じ水素結合性官能基を有しているにも関わらず、1よりも約30倍低い結合活性しか示さない。本研究代表者らは、1とPKCδのC1ドメイン(δ-C1B)との結合において、インドール環とδ-C1Bの11番目のプロリン残基(Pro-11)がCH/π相互作用(水素原子とπ電子系との間の引力的相互作用)することにより結合能が高められている可能性に注目した。 フッ素原子は、水素原子とファンデルワールス半径が最も近い一方で、CH/π相互作用をほとんどしない。そこで、δ-C1BのPro-11の4位水素原子2個をフッ素原子に置換した変異ペプチドを合成し、1および2との結合能を評価した。その結果、1の変異ペプチドに対する結合能は、野生型に比べて11.5倍低下したのに対し、2では結合能の低下が認められなかった。これより、2のPKC結合活性が1よりも低い理由が、CH/π相互作用の欠如に由来すること、また、1のインドール環は、Pro-11の4位水素原子とCH/π相互作用することによって、1の高いPKC結合活性に寄与していることが示唆された。 Pro-11は、全PKCアイソザイムC1ドメインに保存されていることから、リガンドの適当な位置に芳香環を結合させることによって、PKC結合活性を高めることができるはずである。このような観点から2の9,10位にベンゼン環を結合させたnaphtholactam-V8をデザインした。本化合物は、2よりも約10倍強いPKCδ結合活性を示した。
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