研究課題/領域番号 |
17036026
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今堀 博 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243261)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ポルフィリン / フラーレン / シリカ微粒子 / 酸化物半導体 / コロイド / 太陽電池 / ホスト・ゲスト相互作用 / 電子移動 |
研究概要 |
本研究では、ポルフィリン組織化の土台として、光化学的に不活性で安価なシリカ微粒子に着目し、ポルフィリンをシリカ微粒子上に3次元的に組織化し、さらにフラーレンと共に酸化物半導体電極上に集積化することで、光電変換系を構築することを目指した。市販のアミノ基で修飾されたシリカ微粒子とポルフィリン活性エステルを反応させ、アミド結合によってポルフィリンをシリカ微粒子に固定化させることで、ポルフィリン修飾シリカ微粒子を作製した。光学顕微鏡写真から、マイクロ微粒子の表面がポルフィリン固定により、赤紫色に染まっていることが確認された。また、赤外スペクトルからは、アミド結合由来のピークが観測された。拡散反射吸収スペクトルでは、ポルフィリンのソレー帯のピークはクロロホルム中よりも少し長波長シフトしていることから、ポルフィリン同士が適度に相互作用していることが示唆された。以上より、ポルフィリンがシリカ微粒子表面上に化学修飾されていることがわかった。元素分析と表面積測定の結果から、ポルフィリン間の平均距離は、ポルフィリン間にフラーレン分子を挟み込んだ理想値よりも少し大きいことから、ポルフィリン修飾シリカ微粒子はフラーレンをポルフィリン間に取り込むことが可能である。修飾電極を用いて、3極系で光電変換特性を評価したところ、光電流発生効率は、フラーレンの濃度比が上がると共に上昇した。この値は、同程度のスペーサー鎖長を持つポルフィリン修飾金微粒子とフラーレン複合系における類似の実験条件下と比較して、約4倍高い。すなわち、シリカ微粒子を用いることで、ポルフィリン励起状態の失活を抑制し、光電流発生効率を大幅に向上することに成功した。また、シリカ微粒子を用いて、ドナー・アクセプターを電極上に組織化した光電変換系を初めて開発した。
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