研究課題/領域番号 |
17038022
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
水木 純一郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部部門, 上級研究主席 (90354977)
|
研究分担者 |
遠藤 康夫 国際高等研究所, 独立行政法人日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部部門, フェロー 客員研究員 (00013483)
石井 賢司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部部門, 研究職 (40343933)
福田 竜生 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部部門, 研究職 (80354984)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | X線非弾性散乱 / 線維金属酸化物 / 酸化物超伝導体 / 電子励起 / 格子振動 / 酸化物高温超電導体 / 放射光X線 / 分散関係 / 電子相関 |
研究概要 |
第三世代大型放射光X線が利用できるようになりX線非弾性散乱法が発展し、エネルギー・運動量空間で電子励起状態、格子振動の観測が可能となってきている。我々は、本科研費のサポートを受け、酸化物高温超電導体における電子-格子相互作用の研究を行った。 酸化物超伝導体の超伝導発現機構を議論するためには、電子ドープ系とホールドープ系で同じ物理で理解できるのかどうかを明らかにすることが重要である。我々は、電子ドープ系としてNd2-XCeXCuO4(NCCO-系)、ホールドープ系としてYBCO-系、Ca2-XNiXCuO4Br系、さらに低次元で半強磁性スピン1/2系にホールをドープすることで超伝導が出現するSr14-XCaXcu24041で電子励起とその分散関係、ドーピング依存性を観測し、それぞれの比較を行うことで超伝導発現機構を理解する上で重要な情報が得られると考え研究を行った。電子ドープ系では、ハバードギャップ(inter-band transition)に対応する〜2eVの励起がキャリアーを導入してもゾーンセンターで船名に観測されており運動量が大きくなると急速に消失していく。この様子は、ホールドープ系ではこの励起はほとんど運動量依存性がないのと対照的である。これらの結果は、理論計算と定量的な比較をすることができ、超伝導をもたらしている電子は、金属状態で非常に強く相互作用している「異常金属」状態であることを確認した。 最近、ダイヤモンドにボロンをドープすることにより比較的高い超伝導転移温度を示すことが発見され、その超伝導発現機構とさらなる高い転移温度を示すダイヤモンドを作成することが注目されている。そこで我々は、CVDで作成された超伝導ダイヤモンドと日超伝導ダイヤモンドの格子振動をX線非弾性散乱によって運動量依存性の詳細を観測した。この結果、最高エネルギー(〜160meV)の縦波光学モードが、超伝導体においてゾンセンターで大きくソフト化し、ゾーン境界に向かってソフト化が小さくなっていくこと、ソフト化と格子振動の巾の相関が観測された。これで、ダイヤモンド超伝導は、160meVの縦光学格子振動が超伝導発現に重要な働きをしていることが明らかとなった。
|