研究課題/領域番号 |
17040011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
梅田 倫弘 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60111803)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アクチュエータ / ナノメートル / エバネッセント波 / 近接場光 / 光トラップ / ミー粒子 / 光駆動 / 定在波 / 干渉 / 位相シフト / レーザートラッピング / ナノ粒子 / 位置制御 / 近接場光学 |
研究概要 |
近年、光の波長以下のサイズにおける光と物質との相互作用を利用する近接場光学の大きな進展に伴い、高分解能光学顕微鏡の実現やナノサイズ光加工、高密度メモリの研究等が活発に行われている。この中で、光学界面に局在するエバネッセント波(全反射界面における指数関数的減衰を伴う不均質な場)のフォトン力を利用した微小物体の駆動が提案されている。しかし、移動物体の位置情報を顕微鏡によって獲得するため、精度、移動速度および装置構成などに問題がある。 そこで、本研究は、エバネッセント干渉場の強度勾配によってナノ物体を捕捉すると共に、干渉位相を連続的に変化させることで干渉場を移動させてナノ物体の移動を行う高精度なアクチュエータの実現を目的とした。実際に、互いに対向する二つのレーザービーム(波長1.06μm)によってプリズム表面上に生成されたエバネッセント波を干渉させて、光学界面上に干渉場を生成させた。さらに片方のビームを偏光素子からなるQHQ位相シフターを通して干渉位相を変えることで、エバネッセント干渉場がシフトすることを、近接場光学プローブで観測することに成功した。さらにエバネッセント干渉場による駆動力を推定するために、レイリーおよびミー散乱理論に基づく数値解析を行い、エバネッセント干渉場によって微粒子を駆動できる見通しを得た。そこで、実験を行った結果、粒子群の捕捉に成功したが、使用した粒子の直径が1μm以下であったため、ブラウン運動の影響が強く、完全に駆動実験は成功に至らなかったものの、対向ビームによる微粒子の直列配列という新たな現象を見いだし、さらなる研究の推進が期待される。
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