研究概要 |
顕微鏡観察下で人がピペットを用いて行う機械方式による手法は操作者の習熟が必要で,かつ,閉じた空間での作業には向かない.微小物体の操作には環境変動の抑制が可能な非接触アクチュエータ技が不可欠であると考え,以下の項目について研究を行い,微小物体の非接触駆動・操作手法を確立した. 1.光硬化性樹脂を用いた機能性マイクロツールの製作 水銀ランプによる光照射により,マイクロツールを製作した.塩析または凝析によるゲルマイクロツールを製作した.これらを光ピンセットで操作することに成功した. 2.機能性マイクロツールのレーザマニピュレーション 高出力レーザをたに導入し操作スピードを向上した.また塩析または凝析によってするゲルマイクロツールに温度またはpH感応性試薬を導入し,局所環境でのその場計測に応用した.温度計測では蛍色素を利用し,pH計測では色情報を利用することで計測が可能となった.ゲルマイクロツールのサイズは数ミクセンオーダーでまちまちである.これを光ピンセットで希望の場所に搬送すれは,その場の温度,pH情報を知ることが可能となった. 3.外部磁場制御により駆動する非接触アクチュエータによる液体中での微小物体操作 ポリマーに磁性体微粒子を混ぜることでポリマー製の磁気駆動素子を作成した.厚膜のレジストを利用することで2次元的な様々なツールを製作できることを示した.また,回転運動などの特性計測と評価を行った.このポリマー製の磁気駆動素子を用いて様々な駆動形態があることをまとめた.
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