研究課題/領域番号 |
17041011
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松本 広重 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70283413)
|
研究分担者 |
岡田 祥夫 九州大学, 大学院工学研究院, 特任助手 (10432866)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | ナノイオニクス / ヘテロ界面 / プロトン導電体 / 整流性 / ショットキー障壁 / 非科学量論 / 空乏層 / ストロンチウムジルコネート / 導電率 / パーコレーション / バンドベンディング / デバイ長 / シグモイド |
研究概要 |
本研究は、金属/プロトン導電体界面を利用したナノコンポジットにおける優れたイオン機能性材料の創製を目指す。昨年度の検討において、ストロンチウムジルコネート系プロトン導電体(以下、SZO)と白金(Pt)とのコンポジットのナノイオニクス現象を見いだした。SZOにPtを微分散することで導電率の著しい低下が起こり、SZOのPt微粒とのヘテロ界面において高抵抗層が形成される可能性を指摘した。本年度は、これを確かめるために、両者の界面の電流電圧特性について調べた。Pt/SZO界面は整流性を示した。Pt→SZOの向きに分極した場合の方が逆に分極した場合に比べて大きな電流が流れた。これは、n型半導体の場合にはショットキー障壁の形成に相当するが、本実験条件においてSZO試料はp型半導体であり、そのまま適用するのは難しい。また、本実験においては各電圧変化後に電流が静定するのに数十分〜数時間を要した。このような長い緩和課程が酸素イオンの動きによると仮定すると、正の電圧を印加した場合には酸素イオンが集まることにより正孔伝導性が増し、逆の場合にはいわゆる空乏層が生じることで抵抗が増大すると説明することが出来る。すなわち、Ptとの界面において電位変化とともにSZO中の酸素の非化学量論が変化すると考えられる。電流-電圧曲線において傾きが変わる点は約0.2Vプラス側に偏っており、電圧のかかっていない状態では、白金と酸化物の界面には空乏層が生じている可能性が示唆された。すなわち、白金界面においてSZO中には、正孔やプロトンが乏しい層が生成し、このことにより、上記ナノイオニクス現象が起きると考えられる。
|