研究課題/領域番号 |
17043008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兼村 晋哉 大阪大学, 理学研究科, 助手 (10362609)
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研究分担者 |
久野 良孝 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30170020)
久世 正弘 東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (00225153)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 超対称性 / レプトンフレーバーの破れ / 国際線形加速器実験 |
研究概要 |
本研究の目的は、将来の実験でタウレプトンに関するレプトンフレーバーの破れ(LFV)の現象の測定から、電弱対称性の破れの物理と標準模型を超えたnew physicsを探ることにあった。 LFV過程はゲージ場とヒッグス場によって媒介される。最も重いタウレプトンが関与するLFV過程ではヒッグス媒介が重要な役割を果たしている可能性がある。特に超対称性の破れのスケールが大きい(TeV以上)場合は、ゲージ媒介は小さくなるのに対しヒッグス媒介は必ずしもデカップルしないので、この傾向は強まる。よってタウに関係するLFVの詳細からnew physicsに対する情報が得られる。タウのLFVはBファクトリーのタウレプトンの希崩壊観測からある程度測定されているが、さらに詳しく調べるために新たな実験を考える必要がある。 本研究では、電子陽電子加速器の電子(陽電子)ビームを標的Nに衝突させ、非弾性散乱e+N→τ+Xからタウ電子間のLFVを探る可能性を調べた。超対称模型に基づいて、τの希崩壊のデータからの制限を考慮して上の深非弾性散乱の反応断面積を計算した。その結果、電子ビームのエネルギーが60GeVより大きくなると、ボトムクォークの存在確率が大きくなりボトムが関与する素過程(特にヒッグス媒介の素過程)が急激に大きくなることがわかった。こうして、この反応を検証するのに国際線形加速器の電子ビームがエネルギー的に適しているとわかった。研究の結果この深非弾性散乱で生じたタウレプトンから崩壊して放出されるミューオンがシグナルとして適することがわかった。バックグラウンドはシグナルに比べて12桁以上も大きいので、バックグラウンドをいかに落とせるかが問題であった。シミュレーションによって、運動学的な切断によるイベントの選別を繰り返した結果、シグナルとバックグラウンドの比(S/N比)が7桁以上改善することがわかった。さらに運動学的切断とは別に、終状態にミューオンが2個存在するイベントだけを選別することでS/N比は5桁程度の改善を見込めることが判明した。以上の研究によって、国際線形加速器の電子ビームを固定標的に衝突させる深非弾性散乱の実験でLFVの現象を測定できる可能性があるという結論に達することができた。これらの成果を論文として執筆中である。 また、この研究に関連して、荷電ヒッグスの加速器実験での検証、理論のニュートリノ湯川行列の位相がLFV崩壊現象に及ぼす効果などに関して研究し、論文として公表することができた。
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