研究課題/領域番号 |
17045018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長澤 丘司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ケモカイン / 造血幹細胞 / 骨髄 / ニッチ / ホーミング |
研究概要 |
造血幹細胞の増殖や維持に必須の細胞外よりのシグナルは十分明らかでない。 これまで、ケモカインCXCL12とその生理的受容体CXCR4は、胎児肝、骨髄でのBリンパ球の産生に必須である他、胎生期における造血幹細胞の骨髄へのホーミング(細胞が臓器に移動、定着すること)に重要で、CXCL12を高発現する細胞が胎児骨髄の血管周囲に局在し、造血幹細胞のホーミングにおけるニッチ(臓器内で必須の分子を供給する特別な微小環境)として働いている可能性が示されている。近年、私たちは、CXCL12を高発現する細胞(以下CAR細胞)が、成体骨髄においても間質の細網細胞(ストローマ細胞)の一部として存在し、多能性未分化造血細胞の大部分が、CAR細胞の突起に接着していることを見出した。そこで、MxCre/loxPによる誘導性遺伝子欠損マウスシステムを用いて、成体のCXCR4遺伝子を欠損させ、成体骨髄の造血幹細胞におけるCXCL12-CXCR4シグナルの役割を解析した。誘導性CXCR4遺伝子欠損マウス骨髄の造血幹細胞数は、対照マウスと比較して著明に減少しており、CXCL12-CXCR4シグナルは、成体骨髄において、造血幹細胞数の維持に必須であることが明らかになった。一方、誘導性CXCR4遺伝子欠損マウスでは、より分化が進んだ多能性前駆細胞分画の細胞数は対照マウスと同様に保たれていたが、その細胞周期が亢進していた。野生型およびCXCR4欠損骨髄細胞が混在したキメラマウスの解析より、造血幹細胞のCXCR4の欠損によりその数が減少し、これに対応し成熟血球細胞数を維持するために、骨髄のニッチを含む微小環境が多能性前駆細胞の細胞周期を亢進させるシグナルを出していることが示唆された。
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