研究課題/領域番号 |
17045027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70291309)
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研究分担者 |
小林 千余子 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (20342785)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 腎臓発生 / 幹細胞 / Sall1 / Sall / 腎臓形成 / 前駆細胞 / ノックインマウス |
研究概要 |
Sallファミリーは種を越えて保存されたZincフィンガー蛋白である。我々はマウスSall1を発生期腎臓から単離し、この遺伝子が腎臓前駆細胞集団である後腎間葉に発現すること、このノックアウトマウスは腎臓を欠損することを見いだした。さらにSall1の遺伝子座にGFPを導入したマウスを作製し、腎臓前駆細胞集団である後腎間葉が光ることを確認し、さらにそこで発現する遺伝子群を同定している。本計画は、Sall1を使って、腎臓前駆細胞を同定する確実で信頼できる系を確立しようとするものである。 まず後腎間葉を解離して、Wnt4を発現するフィーダー上で培養すると、一個の細胞からコロニーが形成され、糸球体や尿細管など多系統の分化マーカーを発現することを見いだした。次いでSall1-GFPノックインマウスの後腎間葉細胞からは、GFPを強発現する分画からのみコロニーが形成された。さらにこのGFPを発現する後腎間葉細胞を再凝集させ器官培養すると,3次元立体構造を再構築できた。またSall1ノックアウトマウスからのコロニーは、分化や数は正常だがサイズが減少していた。これらの結果から、Sall1を強発現する間葉細胞分画に腎臓前駆細胞が存在し、Sall1はその増殖に関与していることが示唆された。このアッセイ系をフィーダー細胞が不要なように改善することを試みたが、未だ成功していない。これはフィーダーからWnt4以外の因子が供給されているためと考えられる。今後このアッセイは腎臓前駆細胞が分化していく際の系譜決定の解析に役立つと考えられ、組織や切片のレベルでしか検討されていなかった腎臓形成が、単一細胞レベルで解析できるようになる可能性を秘めている。
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