研究課題/領域番号 |
17046003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 (2006) 東京大学 (2005) |
研究代表者 |
寺沢 宏明 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (10300956)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 交差飽和法 / CD44 / NMR / 相互作用解析 / プロテオグリカン / ヒアルロン酸 / コンドロイチン硫酸 / 立体構造変化 |
研究概要 |
細胞の遊走機構を理解する上で、主要な細胞接着分子であるCD44と細胞外マトリックスの主要成分であるヒアルロン酸(Hyaluronic acid ; HA)やコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(PG)との相互作用を構造生物学的に解明することは重要である。本特定領域研究において、CD44のヒアルロン酸結合ドメイン(HA-binding domain ; HABD)の二次構造とHA結合部位を同定した。さらにHA結合に伴い、HA結合部位と異なる部位に構造変化が誘起されることを示した。次に、HA結合状態でのCD44 HABDの立体構造を決定した。その結果、リガンド非結合状態に比較して、CD44のC末端領域がランダム様に構造変化することを明らかにした。CD44は、低分子量HAの添加により、細胞外領域においてプロテアーゼによる切断が誘導されることが示されている。HA結合によるC末端領域のランダム様への構造変化とプロテアーゼによる切断との相関を調べるため、in vitroにおけるCD44のトリプシン分解を試みた。その結果、リガンド非結合状態に比較して、HA結合状態においてC末端領域における分解速度の亢進が見られた。さらに、HABDの立体構造に基づき、C末端領域の高次構造保持に重要と考えられるアミノ酸残基に変異を導入した。変異体のHA結合能を測定した結果、野生型と比較し、高い結合活性を有することを明らかにした。変異体はHA非存在下においてもC末端領域がランダム構造をとることがわかった。野生型において構造多型に由来する2組(major, minor)のNMRピークが検出され、minorピークのスペクトルパターンが変異体とほぼ一致することを明らかとした。以上の結果は、CD44が2状態間の平衡を有し、低分子量HAの結合に伴い、プロテアーゼ感受性が高い立体構造へと移行することを示唆する。
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