研究課題/領域番号 |
17046011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20304066)
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研究分担者 |
井上 直和 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50379096)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カルレティキュリン / Crt2 / カルメジン / シャペロン / ノックアウト / カルネキシン / 精子形成 / 受精 |
研究概要 |
哺乳動物の全身の細胞において普遍的に発現するカルネキシンやカルレティキュリンは、小胞体において糖タンパク質にレクチンシャペロンとして結合し、その成熟過程における品質管理に重要な役割を担っている。ところでカルネキシンのホモログであり精細胞特異的に発現するカルメジンをノックアウトしたマウスでは、精子の受精タンパク質の成熟に異常をきたすため、見かけは正常だが精子が卵子に結合できず雄性不妊となる。最近、カルレティキュリンの精細胞ホモログ(Crt2)が存在することが報告された。カルネキシン/カルレティキュリンサイクルが体細胞の小胞体品質管理に重要な役割を担っているのに対し、精細胞ではカルメジン/Crt2が精細胞の小胞体において精子の糖タンパク質の品質管理を行っていることが予想された。 まずcrt2について抗体を作製して解析を行った。これまでの解析から、カルメジンが減数分裂期に発現するのに対し、crt2は減数分裂を終えた半数体精子細胞にのみ局在することを確認している。さらに成熟精子にはcrt2は存在しなかった。このことからcrt2はカルメジンと同様に精子形成の過程で機能することが予想された。しかしながら興味深いことに、crt2にはカルシウム結合能が認められず、またin vitro実験ではレクチンシャペロン活性を有していないことが明らかとなった。またES細胞を用いた相同組換えによりノックアウトマウスを作製することに成功したので、野生型とノックアウトマウスの精子の膜タンパク質を比較したところ、少数ではあるがノックアウトマウス特異的に欠失する膜糖タンパク質が同定できた。以上のことから、crt2はレクチンシャペロンとしては機能しないものの、特定の精子膜タンパク質の成熟に必須であることが示された。
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