研究課題/領域番号 |
17047026
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武藤 哲彦 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80343292)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 免疫学 / 転写制御 / 形質細胞 / 遺伝子 / マイクロアレイ / 転写因子 / ノックアウトマウス / Bach2 / B細胞 / Blimp-1 |
研究概要 |
転写因子Bach2は、ノックアウトマウスの解析から、B細胞の活性化応答で重要な役割を担うことが予想された。平成18年度は、Bach2がBlimp-1遺伝子を抑制するという遺伝子プログラムのB細胞活性化応答での生理的意義の解明を目指した。第一に、形質細胞分化における役割を検討した。そこで、Blimp-1遺伝子の発現細胞をEGFPの蛍光でモニターできるレポーターマウスとBach2ノックアウトマウスを交配した。同マウスから採取したB細胞に対し、形質細胞分化の誘導をおこなった。その結果、Bach2ノックアウトB細胞集団からは、Blimp-1遺伝子を発現し(EGFP陽性)、形質細胞分化マーカー陽性の細胞が高頻度に出現するという結果を得た。また、Bach2ノックアウトB細胞では、野生型B細胞に比べて少ない分裂回数から高頻度に形質細胞分化への分化が誘導された。以上の結果から、Bach2/Blimp-1遺伝子プログラムは形質細胞分化の頻度を抑制的に調節すると考えられる。Blimp-1は、形質細胞分化を促進するとともに、抗体のクラススイッチ(CSR)を抑制することが知られている。そこで第二に、CSRでの同遺伝子プログラムの役割を検討した。Bach2とBlimp-1のノックアウトマウスを交配し、ダブルノックアウトマウスを作成した。このとき、ダブルノックアウトB細胞ではBach2ノックアウトB細胞のCSR障害が救済されるた。すなわち、Blimp-1遺伝子の過剰な発現がBach2ノックアウトB細胞のCSR障害の原因であることを明らかにした。本研究で、Bach2/Blimp-1遺伝子プログラムはB細胞の活性化応答で形質細胞への分化頻度を抑制し、B細胞にCSRを実行させるという重要な機能を有することが示唆された。
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