研究課題/領域番号 |
17047048
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
長谷 耕二 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
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研究分担者 |
大野 博司 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2006年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | M細胞 / パイエル板 / GP2 / 粘膜免疫 / FAE / M-Sec / トランスサイトーシス / 上皮細胞 / トランサイトーシス |
研究概要 |
本研究は、プロテオーム解析の手法を用いて、M細胞特異的に発現する機能分子群を同定することを目的としている。昨年度までにM細胞を多く含むパイエル板上皮層(FAE)と、ほとんど含まない小腸絨毛上皮(IEC)を分離回収する技術を確立し、Affymetrixマイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルの比較検討を行った。こうして得られたFAEに特異的に発現する遺伝子群の情報を元に、定量PCRおよびin situ hybridizationによる解析を行い、M細胞特異的遺伝子の特定を進めて来た。今年度は、更にその解析を進め、パイエル板M細胞特異的に発現する遺伝子6種、絨毛M細胞特異的に発現する遺伝子1種を同定した。それらの一部については、モノクローナル又はポリクローナル抗体を作成し蛋白質レベルでの発現を確認した。このうち、GPI-アンカー型膜蛋白質であるGP2は、マウスパイエル板のみならず、孤立リンパ小節、盲腸・大腸リンパ濾胞のM細胞にも発現していた。これより、GP2が汎M細胞表面マーカーであることを確認した。更にヒトのパイエル板M細胞でもGP2は発現しており、生物種を超えたM細胞マーカーである可能性が高い。GP2はM細胞の管腔側細胞膜表面に発現しており、GP2リコンビナント蛋白質は腸内細菌との結合活性を示した。更に、蛍光標識バクテリアをM細胞への取り込ませると、GP2との共局在が高い頻度で認められた。これまでM細胞に発現するバクテリアの取り込み受容体は大部分が未知であったが、本研究によりGP2が受容体として重要な役割を果たすことが示唆された。この他、M細胞とM細胞の問にはTunneling nanotuble (TNT)状の細い管によってネットワークが形成されており、そのTNT形成には新規Secファミリー分子M-Secが重要な役割を果たすことが示唆された。TNTは離れた細胞間の情報伝達や小胞輸送に重要な役割を果たすことが知られているため、M細胞間の抗原取り込みシグナルの伝達や抗原輸送におけるTNTの役割について現在解析を進めている。
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