研究課題/領域番号 |
17048015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
伊東 広 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183005)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | Gタンパク質 / シグナル伝達 / フロティリン / 膜ラフト / Ric-8 |
研究概要 |
細胞膜の微小ドメインである脂質ラフト(lipid raft)にはコレステロールやスフィンゴ脂質、GPIアンカータンパク質、脂質修飾タンパク質が集まり、ラフトはシグナル伝達、膜輸送などの細胞機能に重要な役割を果たしていることが示唆されている。ラフトには受容体やGタンパク質など多くのシグナル伝達分子も局在しているが、それぞれの分子の相互作用が、シグナル伝達の効率化、シグナルの脱感作、膜輸送などと、どのように関わっているか不明の部分が残されている。私どもは、ラフトに局在するGタンパク質Gqのαサブユニット(Gαq)と相互作用する分子を酵母Two-hybrid法を用いて検索し、ラフトのマーカータンパク質として知られるフロティリン1(flotillin-1)を単離した。哺乳動物細胞ではフロティリンにはフロティリン1とフロティリン2の2種類のホモログが存在する。まずフロティリン1と2のcDNAおよび組み換え体タンパク質を調製しin vitroと細胞内共発現の実験から、フロティリン1と2のいずれもがGαqと相互作用することを明らかにした。また、部位欠失変異体などを用いてその相互作用にはフロティリンのN末端領域とGαqのN末端領域が重要であることを見出した。Gqを活性化するP2Y受容体によりERKとp38 MAPKという2種類のMAPキナーゼが活性化されるが、p38 MAPKの活性化のみが、フロティリンのsiRNAによるノックダウンおよびコレステロール枯渇剤methyl-β-cyclodextrin処理、Src阻害剤PP2処理により抑制されることを明らかにした。以上の結果から、フロティリンが脂質ラフトにおいてGqと相互作用して足場タンパク質として働き、Gq共役受容体からのチロシンキナーゼ依存性そしてラフト依存性のp38 MAPKの活性化シグナル伝達経路に関与することが明らかとなった。
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