研究課題/領域番号 |
17048020
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤木 幸夫 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (70261237)
|
研究分担者 |
原野 友之 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (80037275)
奥本 寛治 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (20363319)
本庄 雅則 九州大学, 大学院理学研究院, 特任助手 (90372747)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | ペルオキシソーム / CHO変異細胞 / ペルオキシソーム形成因子 / 膜形成 / 膜透過装置 / ペルオキシソーム欠損症 |
研究概要 |
本年度は以下の研究項目に取り組み、分子レベルでの成果を得ることができた。 1)Pex14pの機能領域と分子動態の解析 膜局在ペルオキシンPex14pに関し、機能領域21-260の同定と共に、ペルオキシソーム膜上にてPex14p-Pex13p複合体として存在、PTS1タンパク質-Pex5p複合体をリクルートし、ついでPTS1タンパク質はペルオキシソーム膜内に取り込まれ、Pex5pは結合しているPex14p複合体から解離再び細胞質へとリサイクルされ、その後Pex14pは再び他のPex14pおよびPex13pと結合し複合体を形成することを見出した。 2)ペルオキシソームの分裂・形態制御機構 正常な球形ではなく繊維状に伸びたペルオキシソームを表現型とするCHO変異細胞ZP121では、その原因がダイナミン様タンパク質DLP1遺伝子の点突然変異によりGTPase活性を失ったことに起因すること、すなわちDLP1がペルオキシソームの形態形成にも関わっていること、ZP121が世界で初めての哺乳動物dlp1変異細胞であることを見出した。さらに、DLP1の膜上レセプターであるFis1もペルオキシソーム膜上に存在していることを見出した。この両者に、ペルオキシソームの分裂に必須なPex11pを加えた3者の協奏的作用により、ペルオキシソームの分裂と形態が制御されていることも最近明らかにした。 3)Pex19pによるペルオキシソーム膜タンパク質の輸送と膜形成機構 ペルオキシソーム膜タンパク質のPex19pによるin vitro局在化アッセイ系の確立に続いて、Pex19pは新規合成膜タンパク質と細胞質中で複合体を形成、安定化し,次いで経時的に膜形成に依存して輸送,局在化させることを、ペルオキシソーム膜欠損性pex19CHO変異細胞ZP119を用いて明らかにした。 4)AAA ATPaseファミリーPex1pならびにPex6pとその複合体のペルオキシソームへのリクルーターPex26pとのダイナミズム解析 Pex1pとPex6pのWalker motifs変異解析を含めた分子解剖とPex1p、Pex6pそれぞれの活性領域、さらには両者複合体形成必須領域を明らかにした。加えて、Pex26pとの3者複合体形成能とその生理的意義を明らかにした。また、細胞質のPex1pのオリゴマー体を検討、3量体ならびに6両体として存在することも見出した。新たな温度感受性pex1変異CHO細胞株の分離に成功した。 5)PTS2受容体Pex7pによるマトリクスPTS2タンパク質の輸送機構 PTS2タンパク質はPTS2受容体であるWD motif-rich Pex7pによって認識され、PTS1受容体Pex5pL依存的にペルオキシソームに輸送される。今回、活性を有するrecombinant Pex7pの発現と精製に成功、Pex5pL,輸送装置因子Pex14pやPex13pなどを用いて輸送各ステップの詳細を明らかにした。
|