研究課題
特定領域研究
レグインスリン結合タンパク質(LBP)は分子量約170kDaのタンパク質で、チロシンリン酸化活性を有する。この活性は、ダイズに存在するホルモン様ペプチドであるレグインスリンの結合によって促進される。LBPは植物の原形質膜や細胞壁に局在するため、細胞内外の何らかの信号変換を行い、植物の成長や分化に関する情報伝達に関与していると考えられている。レグインスリン/LBPの生理機能の詳細は解明されていないが、植物の成長や分化に関する情報伝達を担っていると考えられている。本研究では、レグインスリン/LBPの機能解明を目指し、LBP三次元構造を、X線結晶構造解析法によって決定することを目的とする。今年度は、1)ネイティブデータの収集、2)重原子誘導体の調製、3)結晶化条件の再検討を行った。1)ネイティブ結晶に関して、精製条件、クライオプロテクタントの条件を改良し、2.45Å分解能の回折データを得ることに成功した。2)様々な重原子化合物を用いて重原子誘導体の調製を進めてきたが、構造解析可能な電子密度は得られていない。しかし、ヨウ素誘導体は有意なパターソン図を示し、有望であると考えられる。3)結晶化条件の再検討を行ったところ、これまでとは異なる結晶系を得ることに成功した。得られた結晶は空間群P21に属し、格子定数はa=88.9,b=139.0,c=164.2,β=90.9°であった。この結晶を用いて、X線回折実験を行ったところ、2.10Å分解能という高分解能なネイティブデータを収集することに成功した。
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