研究課題/領域番号 |
17048035
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
中田 裕康 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00041830)
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研究分担者 |
鈴木 登紀子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (10415531)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ダイマー / プリン受容体 / アデノシン / ATP / GPCR / Gタンパク質共役受容体 / 神経伝達 / P2受容体 |
研究概要 |
プリン受容体はP2受容体とアデノシン受容体に大別されるが、P2受容体の中でGPCR型P2Y受容体のサブタイプP2Y_2受容体は細胞増殖や創傷治癒の促進など血管機能などをはじめ様々な組織や細胞における重要な生理的作用が注目されている。この受容体の活性調節機構を探る目的で、他のGPCRとの相互作用による機構、とりわけ同じプリン受容体に属するA_1アデノシン受容体とのダイマー形成に着目した。P2Y_2受容体とA_1アデノシン受容体を培養細胞にて共発現させて分析したところ、両受容体がヘテロダイマーを形成することを免疫共沈降法により明らかにした。また、各受容体に対してそれぞれ大きさの異なる金粒子をラベルした抗体を用いた免疫電子顕微鏡観察により、細胞膜上にてホモダイマー、ヘテロダイマー、さらにそれ以上のオリゴマーなど色々な組み合わせのオリゴマーとして存在していることを直接観察した。この免疫電子顕微鏡観察は受容体オリゴマーを定量できる観察手段として一般的に有効であると思われる。さらに受容体活性の変化を検討したところ、このA_1/P2Y_2受容体共発現細胞ではA_1アデノシン受容体のリガンド特異性が変化すること、また、A_1受容体のG_<i/o>を経由したアデニル酸シクラーゼ制御活性は、P2Y_2受容体の活性化により抑制されることがわかった。G_qを介するP2Y_2受容体の細胞内Ca^<2+>増加作用は、A_1受容体アゴニストの存在する条件では逆に相乗的に促進され、その反応はA_1受容体アンタゴニストでは阻害されなかった。したがって、これらの受容体ヘテロ多量体では、両受容体を同時に刺激することで構造変化がもたらされ、G_<i/o>経由のシグナル伝達は阻害され、G_<q/11>経由のシグナル伝達は促進されるようになっていることが推測される。これらの結果は、プリン受容体間のオリゴマー形成状態において、受容体の活性化による構造変化が他方の受容体リガンド結合サイトに影響を及ぼすとともに、Gタンパク質共役機能も変化する可能性を示している。
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