研究課題/領域番号 |
17049028
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
根本 知己 生理学研究所, 脳機能計測センター, 准教授 (50291084)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 生理学 / カルシウムシグナル / 2光子顕微鏡 / 外分泌腺 / 高性能レーザー / 開口放出 / 生物物理学 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、SNARE連関タンパク質など開口放出過程に関係する分子群の動態の理解を進め、画像解析法を開発する為に、膵臓β細胞初代培養標本、クロム陽性細胞初代培養クラスター標本を用いて、分泌顆粒の動態や、SNARE分子が開口放出を誘引する中間過程の可視解析を進めた。その結果、膵臓β細胞、クロム陽性細胞において、以下のような成果を得た。 (1)膵臓β細胞におけるインシュリン開口放出の初期モード 古典的な光学顕微鏡の空間分解能を下回る細胞内小胞の大きさを定量的に解析する方法論を確立し、TEPIQ法と名付けた。膜染色蛍光色素及び低分子量水溶性蛍光分子を含む細胞外液で灌流し、細胞外部空間をネガティブに染色させ、小胞動態を可視化解析する。その方法論を総説として出版した。その方法を用いて、膵臓β細胞におけるインシュリン小胞のカルシウム依存性開口放出過程を検討し、その動態制御機構に関する重要な知見を得、原著論文として発表した。 (2)クロム陽件細胞におけるt-SNARF分子の側方拡散 細胞膜に局在するSNAREコアタンパク質の集積状態を2光子断層イメージングと蛍光免疫染色法により比較検討する方法論を確立した。さらに、TEPIQ法に加え、細胞に負荷したケージドカルシウム試薬(NP-EGTA-AM体)を紫外線閃光照射により活性化させることにより、瞬時に細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させ、開口放出を誘起させた。その結果、クロム陽性細胞において、融合した分泌顆粒膜へ蛍光化t-SNARE分子の側方拡散が観察された。これより、逐次開口放出にはt-SNARE分子の側方拡散が必要であることが示唆され、我々の提唱する逐次開口放出の分子モデルを支持する結果が得られた。また我々はバキュオール型逐次開口放出が存在することを初めて実証した。これらの成果を原著論文として出版した。
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