研究課題/領域番号 |
17050011
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
奥村 克純 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 教授 (30177183)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 動物細胞 / 細胞核 / DNA複製 / 転写 / 核マトリックス / クロマチン / DNA損傷 / HSP70 / 複製フォーク / 分子コーミング / セントロメアヘテロクロマチン / ヒストン修飾 / PARP |
研究概要 |
哺乳類細胞核内における内部構造と高次クロマチンおよびドメインの実体やそのダイナミックな構造変換による核内イベントの制御ならびに、発生・分化の過程でのクロマチンドメインの確立について、視覚的解析技術でひもとき、核の高次構造の構築と生命現象機能発現への関与の統合的理解に貢献することを目指し、以下の成果を挙げた。 1.核マトリックスと転写・複製時のクロマチンループのダイナミクス:複製起点はG1期に核マトリックスに結合し、複製後に離れることを示し、核マトリックスと複製の関係に関するモデルを提示した。HSP70領域に複製起点を見出し、熱ストレス時の転写と複製の関係を調べ、核マトリックス上でのファクトリー形成は、この領域では転写が複製に優先される可能性を示した。 2.DT40を用いたゲノム上の核マトリックス結合部位解析:Crystallin遺伝子は転写サイレントであるにもかかわらず、周辺のアクティブな遺伝子が活性クロマチンハブを形成している影響で、転写ファクトリーへ入り、その支持体である核マトリックスとの親和性が高まる可能性を示し、この領域のクロマチン構造モデルを提示した。 3.複製フォーク可視化法によるゲノム上のレプリコン構成のダイナミクス:分子コーミングによる複製鎖の解析法を確立し、さらにFISHとの併用に上り、特定のゲノム領域の複製過程を解析できることを示した。 4.DNAの損傷と複製フォーク進行制御のダイナミクス:Poloy(ADP-ribese)polymerase(PARP)は通常時から複製フォークの進行を負に制御し、DNA損傷に衝突した時に効率よく減速し、その後の修復経路にスムーズに移行できるように、いわゆる複製フオークのブレーキ役として機能していることを示し、PARPのDNA複製やゲノムの安定性における新たな役割を明らかにした。
|