研究課題/領域番号 |
17051023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
江坂 宗春 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (70151975)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | カタラーゼ / ペルオキシゾーム / ペルオキシン / 細胞内輸送 / オルガネラ / PEX / RNAi |
研究概要 |
本研究では、植物カタラーゼのペルオキシゾームへのユニークな輸送機構に着目し、環境に応答してカタラーゼの遺伝子発現がどのように調節され、どのようにペルオキシゾームへと輸送されるのか、そのダイナミックな分子機構について明らかにすることを目的とした。 以前の研究で、カボチャのカタラーゼのC末端側から上流-13から-11位のアミノ酸QKLが、内部PTS1様配列として、ペルオキシゾームへの輸送に必要なシグナルである可能性が示された。また、本カタラーゼが弱いながらPTS1レセプターであるPex5Pと結合することが、酵母のtwo-hybrid系を用いた研究により示唆された。これらのことから、カタラーゼのペルオキシゾームへの輸送はPTS1タイプによって輸送されると考えた。しかし、Pex5Pの発現を抑制しPTS1系の輸送が阻害された形質転換タバコ細胞でも、カタラーゼのペルオキシゾームへの輸送は阻害されなかった。また、PTS2レセプターであるPex7Pの発現を抑えた形質転換細胞でも、カタラーゼのペルオキシゾームへの輸送は阻害されなかった。これらの結果から、カタラーゼのペルオキシゾームへの輸送には、Pex5P、Pex7Pは必要でないことが示唆された。さらに、Pex10PやPex12P、また、Pex5Pとペルオキシゾーム膜上で結合するペルオキシンPex14Pに着目し、これらのペルオキシンがカタラーゼのペルオキシゾームへの輸送に関わるかどうか調べた。シロイヌナズナのped2(Pex14P)変異株はペルオキシゾームターゲティングシグナルPTS1およびPTS2による輸送が一部阻害される。そこで、ped2(Pex14P)変異株と、GFP-カタラーゼ融合遺伝子を発現している形質転換株をかけ合わせ、ped2(Pex14P)ホモ変異株を作成し、カタラーゼの細胞内局在を調べた。その結果、カタラーゼのペルオキシゾームへの輸送にPex14Pが必要であることが示唆された。一方、タバコ細胞のプロトプラストに、RNA1、GFP融合遺伝子、RFP融合遺伝子の3つを同時に一過的に導入発現させる系を開発し、RNA1発現株で、カタラーゼとPTS1タンパク質の輸送を同時に解析できる系を確立した。最終的に、植物のカタラーゼは、典型的なPTS1輸送とは異なる特殊な機構によりペルオキシゾームへ輸送されることが示唆された。
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