研究課題/領域番号 |
17052002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柳川 右千夫 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90202366)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 性行動 / 母性行動 / GABA / トランスポーター / 誘導型ノックアウトマウス / テトラサイクリン / 口蓋裂 |
研究概要 |
神経伝達物質GABAは、脳の性分化において重要な役割を果たしている。ラット新生児や乳児にGABA受容体に作用する薬物の投与が、成育後における雄の性行動や雌の母性行動に影響を与えることが報告されている。これは、発達時期のGABAが、成長後の性行動や母性行動に深く関与していることを示唆している。一方、GABAは、グルタミン酸脱炭酸酵素によって合成され、小胞型GABAトランスポーター(VGAT)によってシナプス小胞に蓄積された後にカルシウム依存性にシナプス間隙に放出される。本研究では、雄の性行動と雌の母性行動発達におけるGABAの役割を明らかにする目的で、tetracycline-controlled transactivator(tTA)システムを利用した誘導型VGATノックアウトマウスの作成を目指した。また、個体におけるVGATの役割を明らかにする目的で、昨年度作成した完全型VGATノックアウトマウスを解析した。 誘導型VGATノックアウトマウスの作成には、VGAT遺伝子にtTA2をノックインした遺伝子改変マウス(VGAT-tTA2マウス)が必要である。そこで、VGAT遺伝子エクソン1にtTA2をノックインしたターゲティングベクターをES細胞に導入した。G418選択培地で生育した120個のES細胞のクローンを単離し、サザン法を用いて検討した結果、14個のクローンで相同組み換え体であることが判明した。相同組み換え体のESクローンを用いて、キメラマウスを複数作成した。これらのキメラマウスを用いて、最終的に誘導型ノックアウトマウスを作成する。 完全型VGATノックアウトマウス胎児についてサンプル数を多く解析した結果、全例で口蓋裂と膀帯ヘルニアを観察した。これらの結果は、口蓋や腹壁の形成にもVGATが関与することを示している。従って、雄の性行動と雌の母性行動を解析するには、口蓋や腹壁の形成に影響を与えない誘導型ノックアウトマウスの利用が有効であることを示唆している。
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