研究課題/領域番号 |
17052018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
北野 健 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40336219)
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研究分担者 |
安部 眞一 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (90109637)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 性決定 / ヒラメ / メダカ / 性分化 / アロマターゼ |
研究概要 |
本研究では、温度依存性性決定機構を持つヒラメを用いて、温度依存性性決定の分子メカニズムの解明を試みた。 アロマターゼは、ヒラメ雌への性分化に不可欠であり、高水温による雄化に伴い発現量が減少する。このアロマターゼ遺伝子の発現を調節する因子の候補を得るため、ヒラメアロマターゼ遺伝子の5'上流域の塩基配列を調べたところ、Fox12 binding siteとcAMP response element(CRE)を確認した。このことから、転写因子Fox12及びCREを介するシグナル伝達経路を持つ生殖腺刺激ホルモンが、アロマターゼの発現に性差を導きだす因子の候補として挙げられた。 昨年度、ヒラメFox12 cDNAの塩基配列を決定し、そのmRNAの発現パターンを調べ、ヒラメFox12とFox12 binding siteとの結合性を確認した。そこで今年度は、レポーターアッセイを用いてFox12がアロマターゼの転写活性を上昇させるどうかを調べた結果、Fox12の濃度依存的に転写活性が上昇することが明らかとなった。これらのことから、Fox12はアロマターゼ遺伝子の発現を直接誘導している可能性が考えられた。 次に、生殖腺刺激ホルモン(FSH, LH)及びその受容体(FSH受容体、LH受容体)mRNAの発現をRT-PCRで調べた結果、FSH、LH、LH受容体mRNAの発現は雌雄で検出されたが、FSH受容体mRNAの発現は、高水温(雄化温度)で飼育した個体でのみ抑制されていた。また、無血清培地を用いたヒラメ生殖腺培養系を初めて開発し、この系にリコンビナントFSH(rFSH)またはrLHを投与して培養した結果、rFSHを投与した試験区でのみアロマターゼmRNAの発現が維持されたことから、性分化時期におけるアロマターゼ遺伝子の発現制御に、FSHシグナリングが関与している事が示唆された。
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