研究概要 |
課題名:両生類性決定遺伝子の同定 期間:2005-6年度 代表者:中村正久 経費:410万円 脊椎動物は一般研究材料はに雄ヘテロのXX/XY型か雌ヘテロのZZ/ZW型によって決定されている。ところが両生類のツチガエルは同種でありながら地方種族によりXX/XY型或はZZ/ZW型をもつ極めてウニークな種である。この種をもちいて性決定遺伝子を単離することを目的とした。予備実験ではDmrt1遺伝子が性染色体上にあると思われる結果を得ていたためDmrt1を候補遺伝子として考えていた。しかし結果は以下に示すようにDmrt1遺伝子はNo.3常染色体上にあることが判明したため振り出しに戻って研究を進めた。以下に結果を示す。 (1)SF-1/Ad4BPはZ,W染色体,Dmrt1はNo.3常染色体上の遺伝子であった(未発表)。 (2)CYP19はNo.3常染色体上の遺伝子で性決定時に雌で強く発現する(Oshima et al., 2006)。 (3)CYP19プロモーター領域を単離してSF-1の転写調節能について検討したところSF-1には転写を活性する能力はなく、哺乳類や魚類と異なる転写調節系が考えられた(Oshima et al., 2006)。 (4)マウスの性決定前に性腺で発現し、SF-1の上流に位置すると考えられているLhx9をツチガエルから単離した。Lhx9には哺乳類で報告されている2つのアイソフォームの他に3つあり、合わせて5つのアイソフォームを見出した。しかし、性決定前後の発現には雌雄差がなかった(Oshima et al., 2007)。 (5)性転換性腺(雄化)で発現が低下するする2つの遺伝子は卵母細胞で発現していた(Okada et al.,投稿準備中)。
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