研究課題/領域番号 |
17054031
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
皿井 明倫 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (20221286)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 蛋白質・DNA認識 / 協同性 / ゲノム |
研究概要 |
遺伝情報の発現は膨大な転写因子やターゲットのネットワークにより制御されており、そこでは転写因子の協同的な作用が本質的に重要である。本研究では、転写因子間の協同性を構造レベルおよび制御領域での結合サイトのコンテクストのレベルで解析し、以下のような成果を得た。 (1)最新の蛋白質・核酸複合体の構造データを収集し配列などの冗長性や異常なコンフォメーションを含む構造を除いてデータベース化した。この構造データセットを統計的に解析し、アミノ酸・塩基相互作用の統計ポテンシャルを計算した。また、与えられた蛋白質・核酸複合体構造について、蛋白質・DNA相互作用のエネルギーや認識の特異性を定量化した。 (2)蛋白質構造データベース中の転写因子を含む複合体の構造を抽出し、そこに含まれているアミノ酸鎖間のリンク関係(どの鎖がどの複合体に含まれているか)を系統的に解析しデータベース化した。これにより、転写因子が他のどの転写因子やDNAと複合体を形成しているかを容易に解析できるようになり、また、転写因子間やDNAとの機能的なリンクあるいはネットワークを把握できるようになった。 (3)上記の解析を組み合わせて、転写因子の協同性と特異性の関係を解析した。いくつかの複合体の例について複数の転写因子による複合体形成を単独の結合の場合と比較することにより特異性が増大することを定量的に示した。この特異性の増大は構造の変形を伴うことがわかった。このような構造と特異性における協同性の体系的な解析をすすめている。 (4)制御領域における複数の転写因子の結合モチーフを網羅的に調べるため、実験的によく調べられている酵母について転写制御に関するさまざまな情報(転写因子に関する配列、構造、機能などに関する情報、転写因子の既知のターゲットのプロモータ上での順序や位置、ターゲット遺伝子のアノテーションなど)を収集しデータベース化した。
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