研究課題/領域番号 |
17201026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063720)
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研究分担者 |
堀越 佳治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60287985)
品田 賢宏 早稲田大学, 先端科学・健康医療融合研究機構, 准教授 (30329099)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
50,960千円 (直接経費: 39,200千円、間接経費: 11,760千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2005年度: 31,200千円 (直接経費: 24,000千円、間接経費: 7,200千円)
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キーワード | 単一イオン注入法 / 半導体 / シリコン / 不純物原子 / 不純物ゆらぎ / 不純物規則配列 / 不純物ドーピング / トランジスタ / シングルイオン注入法 / ナノデバイス / 点欠陥 / 半導体デバイス / MOSFET / 閾値電圧 |
研究概要 |
長年、半導体中への不純物ドーピングは均一に行われると考えられてきたが、ナノデバイスではこの仮定はもはや成立しない。不純物原子の離散性が顕在化すると共に、ランダムな分布故、デバイス毎に不純物原子個数および位置がゆらぎ、半導体デバイスの電気的特性がバラつく結果、ナノデバイス構造が形成されても動作しない可能性が高い。本研究では、シングルイオン注入法の個数および位置制御性を改善して、半導体結晶中に単一不純物原子を規則的に配列させた新しい半導体創製を試みた。具体的には、(1)シングルイオン注入用集束イオンビーム光学系の改造によって、20nmに止まっていたビーム径を10nmに改善、(2)単一イオン入射時に半導体電気的特性の変化量を検出する電流変化検出型シングルイオン入射検出法の開発によって検出率100%を初めて達成した。(3)(1)および(2)を実現して、不純物原子の規則配列を有する半導体を試作した他、非対称な不純物分布を有する半導体を実現し、不純物原子がソース側よりドレイン側に偏在する方がドレイン電流が高くなることを見出した。また、イオン照射過程のリアルタイム走査型トンネル顕微鏡(STM)観察によって、表面近傍における点欠陥の挙動を初めて捉えることにも成功している。先端半導体デバイスにおいて微細化を妨げる本質的要因の1つとして現実味を帯びてきた不純物原子の統計的ゆらぎに起因する電気的特性のばらつき抑制を初めて実証したと言える。半導体の電気的性質は不純物の平均濃度(分布はランダム)によって決まるとされてきた従来の半導体物理およびそれに立脚する電子工学に、個数と位置制御という新しい概念を導入する意義があった他、近未来の半導体デバイス設計、具体的にはチャネルエンジニアリングの設計指針を与える成果である。
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