研究課題/領域番号 |
17203010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
恒川 惠市 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80134401)
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研究分担者 |
飯田 文雄 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70184356)
遠藤 貢 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70251311)
出岡 直也 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (50151486)
浅見 靖仁 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60251500)
大西 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90254375)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
31,850千円 (直接経費: 24,500千円、間接経費: 7,350千円)
2007年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2006年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2005年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 民主化 / 民主主義 / 構成主義 / コンストラクティビズム / バロメーター |
研究概要 |
本研究では「民主主義体制を長期的に持続させる基本的要因は、紛争や抑圧を経験する中で人々が民主主義的な手続きを遵守することの重要性や不可避性を学習することである」という基本仮説を、理論研究、計量分析、事例研究を組み合わせて検証した。まず民主主義や立憲制に関する規範理論は、選ばれた指導者による民主主義をよしとするシュンペーターの議論から、一般市民の深い政治参加を求める熟議デモクラシー論まで様々な民主主義形態を措定しているが、ほぼ共通するのは、民主主義的な価値規範が決定の場や討論への参加を通して形成される(積極的学習)と見ていることである。計量分析においては、この「積極的学習」要因と同時に、紛争や抑圧といったネガティブな経験が民主制再評価をもたらすとする「反動的学習」要因を組み入れて、両者の効果を検証した。その結果ラテンアメリカについては「反動的学習」効果が強く見られるが、「積極的学習」も一部に観察されること、アフリカについては、「反動的学習」効果が見られる国と、「積極的学習」効果が見られる国に2分されること、アジアについては明確なパターンが現れないことが明らかになった。これは、まだ民主化が進んでいない国が多数混じっている地域では、民主主義に対する態度に「手続きへのコミットメント」とは異なる「単なる期待」が含まれていること、さらに「移行」と「持続」の条件が必ずしも一致しないことが、定量的な検証を困難にしているためである。それを補うのが事例研究である。個別の国や地域の事例分析によれば、各国の社会的・政治的亀裂という構造要因によって「反動的学習」や「積極的学習」の効果が異なり、前者が民主化に繋がらず、後者も民主主義へのコミットメントを向上させないことがありうる。ただし本研究の基本仮説は、その有効性において民主化に関する他の仮説に劣らないことが実証された。
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