研究課題/領域番号 |
17204025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷村 克己 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00135328)
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研究分担者 |
田中 慎一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00227141)
金崎 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80204535)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2007年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2006年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2005年度: 22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
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キーワード | 半導体表面 / 光誘起相転移 / フェムト秒時間分解分光 / 2光子光電子分光 / 低エネルギー電子線 / 走査型トンネル顕微鏡 / 低次元系 |
研究概要 |
多重安定性を内包する擬二次元凝縮相としての半導体再構成表面における電子励起状態が示す新規な物性現象を、時間・空間極限実験手法を有機的に結合させて研究し、直接的知見に立脚して、表面で発生する超高速現象を微視的・統一的に解明する事を目指した。そのために、(1)励起状態の超高速緩和過程の直接的観察のためのフェムト秒2光子光電子分光法を用いたキャリアー動力学の研究、(2)表面原子構造の直接的観察のための走査型トンネル顕微鏡(STM)を駆使した表面構造変化の研究、を中心として研究を展開した。電子系励起源としては、高分解低エネルギー電子ビーム、STMチップからのトンネル電流、フェムト秒パルスレーザーを併用した。本研究期間における主要な成果を以下に列記する。 1)励起レーザー波長可変性を有する2光子光電子分光装置を駆使し、Si結晶内電子状態における緩和過程とその機構、および表面電子状態への遷移過程とその動力学を解明した。 2)レーザー価電子励起によるSi表面での構造変化機構をSTMによって系統的に研究し、局所的ボンド切断機構を微視的に解明した。 3)低エネルギー高分解電子線と半導体表面の相互作用素過程を、水素終端Si表面を対象として研究し、Si-Hボンド切断機構が結合性から反結合性状態への非弾性励起によるものである事を実証した。 4)トンネル電流励起が誘起する化合物半導体表面での構造変化機構が2正孔局在によるものである事を解明した。 5)フェムト秒レーザー励起により、グラファイト表面上で新規なダイヤモンド様構造への相転移が発生することを発見した。 本基盤研究のこれらの成果の展開として、平成19年に特別推進研究が採択された。光誘起構造相転移動力学の解明を主眼としつつ、本基盤研究の最終目標である表面励起物性の解明を含めた精力的な研究を展開していく。
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