研究課題/領域番号 |
17204032
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
青木 勝敏 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 上級研究主席 (30356331)
|
研究分担者 |
竹村 謙一 物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 主席研究員 (20171671)
清水 克哉 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (70283736)
清水 宏晏 岐阜大学, 工学部, 教授 (80023258)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90197749)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
50,180千円 (直接経費: 38,600千円、間接経費: 11,580千円)
2007年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2006年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2005年度: 24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
|
キーワード | 希土類金属 / 水素化物 / 構造転移 / 電子転移 / 高圧力 / 金属転移 / 高圧 / 金属水素化物 / 圧力誘起相転移 |
研究概要 |
本研究は高圧下で誘起される希土類金属水素化物の構造・電子転移の機構解明を目標に実施された。希土類金属系の現象はイオン半径でスケールできることが知られていることから、それらの水素化物を対象にした高圧研究は金属水素化物の構造・電子状態の系統的な理解をもたらす。実際、我々が行なったスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)の3水素化物の一連の高圧研究によって、六方晶-面心立方晶の構造転移開始圧力がイオン半径でスケールされることが見出された。 YH_Xは、一連の希土類金属水素化物で観測された構造相転移と電子転移のいずれもが50 GPaまでの圧力範囲で観測されたことから、実験、理論の両面から詳しく研究された。バンドオーバラップによる絶縁体-金属転移は高圧領域で出現する面心立方晶相において23 Gpa付近で観測されて、電子バンド構造計算からフェルミ面は主として水素の1s軌道から構成されていることが示された。本研究の目的である「1s金属」が実現されたことになるが、これまでの低温高圧実験では超伝導転移は観測されていない。 YH_3で観測された長周期構造の出現とYH_Xで観測されたフォトクロミズムは金属水素化物に特徴的な現象である。六方晶と面心立方晶構造の中間相として現れる長周期構造では、バンド間電子遷移に伴う光学ギャップが加圧により急激に減少することが観測されており、水素原子の振動スペクトル測定結果と合わせて、金属格子内の水素原子の変位が水素-金属間の混成軌道状態の変化をもたらしていることが示唆された。フォトクロミズムは、光照射による電子励起が駆動力となって水素原子の金属格子間移動が起きているものとして解釈される。これらの現象の発見は水素原子のダイナミクス研究の重要性、今後の発展性を示す重要な成果である。
|