研究課題
基盤研究(A)
光イオンかダイナミクスの詳細は、イオン化動力学因子(遷移行列要素および位相シフト)によって完全に記述される。フェムト秒パルスを用いて分子の回転固有状態をコヒーレント励起することで、遅延時間Δtの関数として分子軸分布を時間発展させ、遅延時間を設けたもう一つの光パルスにより、整列度の異なる分子集団を光イオン化することが可能である。本研究では、この時間領域での光電子散乱角度分布測定法(TR-PEI)において、ポンプ光(中心波長:226nm)により、超音速分子線中のNOをA状態に励起し、遅延時間Δtを設けたプローブ光(中心波長:242-330nm)により、NO分子をイオン化させた。メインチャンバー全域は磁気遮蔽され、発生した光電子は加速電場によりMCPと蛍光スクリーンから較正される二次元検出器に射影される。撮像系には、レーザーの繰返し周波数(1 kHz)と同期したC-MOSカメラを用い、イメージインテンシファイアを用いながら、光電子の個数および個々の到達位置を1フレーム毎に正確に記録した。さらにMCPのポア径および蛍光を適切に選択し、MCPの感度勾配から生じる画像の非対称性、および輝点の重複計数の可能性を著しく低減させ、光電子角度分布および積分イオンか断面積の精密測定を可能にした。光電子角度分布の異方性因子の決定精度は0.03程度である。分子軸整列が最大と最小になる時間、half revival(4.1ps)とhall revival(8.2ps)について光電子角度分布を高精度に測定することで、光イオン化動力学因子を算出した。これらの因子を用いて、分子固定系における光電子角度分布を求めた。得られた因子を、Schwinger変分法ならびに多チャンネル量子欠損理論の計算と比較したところ、部分波の振幅に不一致が見られた。このことは、理論計算に改善の余地があることをしめしている。
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