研究課題/領域番号 |
17205012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 潤一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127170)
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研究分担者 |
野上 敏材 京都大学, 工学研究科, 助教 (60402963)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2007年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2006年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2005年度: 37,440千円 (直接経費: 28,800千円、間接経費: 8,640千円)
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キーワード | 有機カチオン / カチオンプール法 / 反応性 / 安定性 / N-アシルイミニウムイオン / アルコキシカルベニウムイオン / ジアリールカルベニウムイオン / 有機イオウカチオン種 / フロー系反応装置 |
研究概要 |
カチオンプール法に基づいて、カルボカチオンを中心とする有機カチオンの新しい化学を創成し、それを有機合に展開することを目的に研究を行った。具体的には、ヘテロ原子置換カルボカチオン(N-アシルイミニウムイオンやアルコキシカルベニウムイオン)など各種有機カチオンの安定性と反応性の再検討を行うとともに、それらに基づいて新規反応を設計・開発を行った。 (1)有機カチオン活性種の熱力学的および動力学的特性の解析:カチオンプール法を用いることにより、N-アシルイミニウムイオンやアルコキシカルベニウムイオンなどの有機カチオンそのものを高い濃度で蓄え、NMR等で解析することに成功した。また、有機カチオンの安定性や反応性と構造や置換基との関係についても検討を行った。 (2)有機カチオン活性種の合成化学的応用:カチオンプール法を他の有機イオン種、とくにヘテロ原子をもたないカチオンなどに対して適用し、合成化学的観点から反応開発を行った。たとえば、ジアリールメタン誘導体を酸化すると、対応するジアリールカルベニウムイオンが効率よく生成、蓄えることができることを見出し、この化学種が合的に利用できることを示した。また、他の有機カチオン活性種として有機イオウカチオン種の研究も行った。ジアリールジスルフィド(ArSSAr)を塩化メチレン中、Bu_4NBF_4を支持電解質として低温電解酸化するとアリール(ビスアリール)チオスルホニウムイオン(ArS(ArSSAr)^+)が生成することを明らかにした。さらに、このArS(ArSSAr)^+をチオアセタール(RCH(OMe)SAr)に作用させると、ArS基の速やかな脱離によりアルコキシカルベニウムイオン(RC^+H(OMe))が発生し、これを溶液として蓄えることができることを明らかにした(インダレクト・カチオンプール法)。また、ArS(ArSSAr)^+を用いたカチオン連鎖反応によるヘテロ環化合物の合成や、ラジカル/カチオン/ラジカルカチオン連鎖機構で進行するN-アシルイミニウムイオンプールとベンジルシランの反応も見出した。
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