研究分担者 |
安藤 康夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60250726)
久保田 均 東北大学, 産業技術総合研究所・エレクトロニクス研究部門, 研究員 (30261605)
水上 成美 日本大学, 工学部, 講師 (00339269)
大兼 幹彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50396454)
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配分額 *注記 |
51,090千円 (直接経費: 39,300千円、間接経費: 11,790千円)
2007年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2006年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2005年度: 39,780千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 9,180千円)
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研究概要 |
1.エピタキシャルホイスラー系合金電極トンネル接合の作製 高品位なホイスラー合金電極と結晶質の酸化マグネシウムを組み合わせたCo_2MnSi/MgO/CoFe-トンネル接合において,217%(室温),753%(低温)の巨大なTMR比を観測することに成功した.このTMR比はホイスラー合金を用いたトンネル接合において世界最高の値である.また,このTMR接合のコンダクタンス特性を詳細に調べた結果,巨大TMR比の原因は結晶質のMgO絶縁層を介したコヒーレントトンネリング過程によるものと示唆された. 2.微細化とスピン注入磁化反転 磁化反転層に(Co_<50>Fe_<50>)_<100-x>B_x(x=20,25,30,膜厚d=2nm)を用いたCoFeB/MgO/CoFeB接合を作製し,スピン注入磁化反転の観測に成功した.その結果,反転電流密度は理論予測どおり,強磁性層の飽和磁化,ダンピング定数およびスピン分極率に依存することが明らかとなり,飽和磁化およびダンピング定数の低減が反転電流密度を低減するために非常に有効であることが分かった. 3.ダンピング定数αに関して 強磁性共鳴を用いて,種々の強磁性体のダンピング定数を系統的に明らかにした.さらに,トンネル接合構造における磁化反転層のダンピング定数を測定する方法を世界で初めて確立した.その結果,2nm程度の非常に薄いCoFeB磁化反転層のダンピング定数は,バルクの約5倍程度増大することが分かった.また,磁化反転層の隣接層がダンピング定数に大きな影響を及ぼすことを明らかにした.
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