配分額 *注記 |
48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)
2007年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2006年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2005年度: 26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
コヒーレント波長可変テラヘルツ(THz)波光源は,周波数領域分光やTHzイメージング応用のキーデバイスである。本研究は,非線形光学効果である差周波発生(DFG)を用いて周波数を自由自在に制御可能なTHz波シンセサイザーを実現することを大きな目的とした。π共役系を有する有機DAST結晶は,広帯域波長可変THz波発生が可能であり,本研究ではその高品質化と共に新たにDAST結晶のアニオンのCH_3基をC1基に置換したDASC結晶の合成と結晶育成を行った。結晶育成は,メタノール溶媒による徐冷法を用いた。 これらの有機結晶のTHz波発生特性の評価を行った結果,DASTとDASC結晶を組み合わせることにより,2〜30THz域の広い周波数範囲で出力強度変動の少ないTHz波シンセサイザーが実現できることを見出した。DFGの基本となる2波長光源として,非線形光学結晶に2ケのKTiOPO_4結晶を用い,12nsのパルス幅のQスイッチNd:YAGレーザのSHG光(532nm)励起方式の1340〜1550nm域の2波長光パラメトリック発振器(OPO)を開発した。0.5mm厚のDASTおよびDASC結晶を用いて500nJ以上のTHz波発生を確認し,また,990nm域OPOと2mm厚のDAST結晶の組み合わせにより0.3〜2THz域の低周波THz波発生も可能であることを実証した。本研究の広帯域THz波シンセサイザーは,THz波域におけるリアルタイムイメージング,レンジングおよび分光応用に有望であり,THzテクノロジーの進展に大きな貢献が期待される。
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