研究課題/領域番号 |
17206026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
太田 昭男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10124728)
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研究分担者 |
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (20345953)
稲田 亮史 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (30345954)
張 平祥 西北有色金属研究院, 教授
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
30,420千円 (直接経費: 23,400千円、間接経費: 7,020千円)
2007年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2006年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2005年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
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キーワード | 高温超電導体 / 銀シース加工法 / 集合導体ケーブル / 低損失線材 / 交流損失 / 電磁設計 / 高抵抗バリア / ツイスト / 銀シース / 高温超伝導線材 / 多芯化 / 全損失 / 通電損失 / 磁化損失 / 高抵抗バリア層 / 高温超電導線材 / 断面構造制御 |
研究概要 |
銀シース高温超電導線材を用いて数kA級のパワーケーブルを構成する場合、隣接超電導線が発生する数10mTの外部交流磁界中で交流電流を輸送する必要がある。実電磁環境を模擬して線材の交流損失を評価するため、方向可変の交流磁界下で高温超電導線材に交流電流を通電し、全交流損失を測定する装置を構築した。本装置を用いて、(1)通常の銀シース加工法で作製した線材、(2)二軸圧延加工法で断面形状制御を施した線材、を作製し損失測定を行った。線材幅と厚さをほぼ一致させ,臨界電流値は約30Aである。測定結果から、超電導芯は交流磁界下で銀母材を介して電磁結合することが確認された。電磁結合した超電導芯全体に対する中心到達磁界Bp(10mT)以下では通電損失が支配的であるため、断面形状制御により40〜50%程度の全損失低減が確認されたが、Bp以上では磁化損失の寄与が増大し断面形状制御による全損失低減は得られなかった。 次に超電導芯間に高抵抗材料をバリア材として導入し、芯間抵抗の上昇による損失低減を試みた。バリア導入法として(1)酸化物塗布法、(2)内部酸化法、の2種類について検討した。特に前者(1)では、Ca_2CuO_3をバリア材として用いた場合、77K、0Tで最大Jc=1.8×10^4A/cm^2となり、更に長さ数mの線材全長に渡り10^4A/cm^2以上の良好で均一なJc特性が得られ、本バリア材の長尺加えて平行横磁界によるバリア線材の磁化損失値は、非バリア線材と比べ1/3程度に低減することも示された。 銀シース超電導線材を素線とする集合導体型超電導ケーブルの交流通電損失を電気的に測定する場合、交流損失は通電電流と損失電界の積で決定されるため、測定精度の向上を図るにはケーブル近傍の損失電界分布を把握することが重要である。そこで超電導テープ線材を用いた集合導体ケーブル周辺の損失電界分布を数値解析により評価するとともに、通常の銀シース線材を用いて簡易集合導体ケーブルを製作し損失特性を測定した。数値解析と測定結果はほぼ一致し、導体近傍の損失電界分布は導体構造に依存して複雑に変化するが、テープ素線幅広面からテープ幅程度離れた位置でほぼ一定となることが判明した。この事実は、パワーケーブルの通電損失を精度良く測定するには、テープ素線幅広面からテープ幅程度離れた位置で損失電界を測定する必要があることを意味する。今後の展望として、損失低減を施した超電導線材を用いた集合導体ケーブルの交流損失特性の評価に向けて、本研究で得られた知見を評価技術の確立に活用する必要がある。
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