研究分担者 |
長崎 晋也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20240723)
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20312994)
虎石 貴 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 博士課程研究員 (40376497)
木村 貴海 日本原子力開発機構, 原子力基礎工学部門, アクチノイド分離化学研究グループリーダー (20354897)
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90436543)
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配分額 *注記 |
49,790千円 (直接経費: 38,300千円、間接経費: 11,490千円)
2007年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2006年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2005年度: 27,560千円 (直接経費: 21,200千円、間接経費: 6,360千円)
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研究概要 |
本研究グループが一貫して研究を重ねている表面の不均質性を取り込んだ吸着モデルによって,金属(水)酸化物表面に対する放射性核種の吸着モデリング手法は確実に構築されつつある.しかし,その手法が適用できない唯一の化学現象が,アクチノイド元素の酸化還元反応を伴う吸着である.表面酸化還元反応の反応速度などは吸着構造や電荷移動の経路、電荷移動に伴う吸着構造の変化などに大きく依存するため,精緻なモデリングには反応機構の解明が必須であるが,現在までに表面電荷移動を伴う反応経路を同定した研究は存在しない.本研究では,表面における電荷移動を伴う反応の経路決定を通じた固液界面におけるアクチノイド元素の酸化還元メカニズムの解明を研究の目的とした.本研究では,まず,U(VI)-Fe(II)酸化還元系において酸化還元反応の時間発展追跡を行うことのできるレーザ分光システムの構築を行った.その上で,共存配位子の酸化還元に対する影響を吸収分光法によって評価した結果,地下水環境に存在しうるキレート配位子がFe(II)によるU(VI)の還元を促進していることが明らかにした.また,表面における電荷移動を伴う反応の経路決定を通じた固液界面におけるアクチノイド元素の酸化還元メカニズムの解明を目的として,表面におけるU(VI)-Fe(II)間電荷移動反応における配位子の影響評価および密度汎関数理論の表面における吸着種還元現象への適用を行った.配位子としてクエン酸を,表面としてギブサイトを用いた時間分解型レーザ蛍光実験から,Fe(II)によって,ギブサイト表面でUがVI価からIVに還元されること,そして,配位子の存在によって,還元が促進されることが分かった.さらに,酸化還元に関わるU(VI)のギブサイト表面上での吸着構造を同定すると共に,外圏型の電子移動による還元メカニズムの存在の可能性を明らかにした.
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