研究課題/領域番号 |
17208025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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研究分担者 |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00197146)
山内 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70272440)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
38,350千円 (直接経費: 29,500千円、間接経費: 8,850千円)
2007年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2006年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2005年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
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キーワード | 脳・神経 / ステロイドホルモン / 成長因子 / 神経新生 / Neuroeenesis |
研究概要 |
近年、ステロイドホルモンが認知、記憶など脳の高次機能の維持や虚血性脳疾患からの回復に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあり、この作用は保護作用と呼ばれている。我々は、ステロイドの保護作用は幾つかの成長因子の遺伝子発現を介すること、さらにその中には我々が同定した脳の性分化関連遺伝子(グラニュリン)が含まれることを見出した。本研究はステロイドと成長因子の共役による神経細胞の分化と再生の神経生物学的基盤を確立し、高齢の動物やヒトにおける脳機能の維持、回復のための方法論を構築することを目的としたものである。本研究においては、雌ラットを用いてエストロジェンによる神経新生に伴い海馬においてグラニュリン遺伝子の発現が上昇することを見出した。さらに、神経幹細胞の培養系を確立し、エストロゲンの神経細胞増殖作用はグラニュリンにより仲介されていることを明らかにした。さらに、グラニュリン・ノックアウトマウス(KO)を作出し、各種の行動学的な表現型について解析を行った結果、不安傾向や攻撃性の上昇などが観察された。また、18ケ月齢のグラニュリンKOマウスでは空間学習能力の低下が見られ、老齢期の脳の高次機能の維持にグラニュリンが関与していることが示唆された。一方、従来ストレスにより分泌が促進され、脳機能に対しては広範な負の影響を及ぼすと考えられていたグルココルチコイドが、逆に脳機能を維持する作用を持つことを明らかにした。すなわち、グルココルチコイドはストレスによる脳内のプロスタグランジン合成酵素(COX2)の発現を強く抑制し、GnRHパルスジェネレーターの活動や中脳黒質ドーパミンニューロンの生存を維持し、ストレスによる生殖機能や運動機能の低下を緩和していることが明らかとなった。
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