研究課題/領域番号 |
17209020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浅野 茂隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50134614)
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研究分担者 |
野村 仁 早稲田大学, 理工学術院(理工学総合研究センター), 教授 (40361670)
張 弘 先端科学健康医療融合研究機構, 講師 (20392384)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)
2006年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2005年度: 31,330千円 (直接経費: 24,100千円、間接経費: 7,230千円)
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キーワード | cobblestone area / 白血病幹細胞 / 間質細胞 / self renewal / niche / repopulating assay / 薬剤耐性 / バイオイメージング / 細胞間相互作用 / 幹細胞 / 悪性腫瘍 / 分子イメージング / 蛍光標識 |
研究概要 |
正常造血幹細胞の長期維持培養系であるcobblestone area(CA)形成共培養システムを白血病幹細胞の動態解析に用いるべく検討を行ない白血病細胞株としてHELとTF-1、間質細胞株としてMS5を用いた場合に最も良好なCA形成が得られるとの結果を得た。HELとTF-1は何れも赤白血病に由来するが、HELの場合にはほぼ全ての細胞にCA形成能が保持されているのに対してTF-1の場合は約10%の細胞のみがCA形成を示し分化段階に基づいた序列の存在が示唆された。CA形成細胞では浮遊培養下の細胞と比較した場合にGlycophorin-AやCD42bなどの分化抗原の発現が減弱している反面、白血病幹細胞の骨髄への生着に必須とされるCD44の発現は元進していた。また、細胞周期の解析から静止期の細胞比率が上昇している一方で、Self Renewalの頻度は浮遊培養の場合に比べて増大している事がRepopulating Assayの結果から明らかとなった。以上の結果はCA形成細胞が白血病幹細胞としての特性を備えている事を示唆する。次に各種抗白血病薬剤に対する感受性を検討した結果、CA形成細胞では対応する浮遊培養細胞と比較した場合に薬剤感受性が著しく低下していた。特にDaunorubicinについてこの化合物が持つ蛍光特性を利用してその細胞内局在を調べた結果、CA形成細胞では浮遊培養の場合とは異なり細胞内に取り込まれた薬剤がリソソームに集積している像が観察された。以上、LCA形成細胞において薬剤耐性の獲得が認められ、その機序は単なる間質細胞による薬剤到達の阻害ではなくLCA形成に起因した薬剤の細胞内輸送・代謝の変化が関連しているものと考えられた。今回報告したMS5を用いたLCA形成系は個別化医療における至適薬剤選択の為の評価系として有用であると考えられた。
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