研究課題/領域番号 |
17209027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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研究分担者 |
土屋 輝一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40376786)
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
半田 宏 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (80107432)
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
49,920千円 (直接経費: 38,400千円、間接経費: 11,520千円)
2006年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2005年度: 31,590千円 (直接経費: 24,300千円、間接経費: 7,290千円)
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キーワード | 再生医学 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / 発生・分化 / Atoh1 / Hath1 / Wnt / Notch / Wntシグナル / Notchシグナル / 細胞内シグナル伝達 / ユビキチン-プロテアソーム / 腸管分化 / 転写因子 / Hath-1 |
研究概要 |
本研究は腸管上皮細胞におけるWnt/Notchシグナルのクロストークを解析することによって腸管上皮の分化調節機構、幹細胞維持機構など腸管再生の根幹となる理論基盤を構築することを目的とすることである。本研究では当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。腸管上皮細胞分化に重要な役割を担うbHLH転写因子であるHath1遺伝子は転写後調節としてWntシグナル内のGSK3を介したリン酸化によるユビキチン-プロテアソーム系の積極的な蛋白分解機構によって制御されておりこれはbeta-cateninの制御機構と同一であることからWntシグナルが「細胞増殖」と「分化」を対等に蛋白安定性にて制御する機構であることが解明された。Wntシグナルの異常亢進している大腸癌由来細胞株においてはHath1の積極的な蛋白分解を認め、さらに実際にヒト大腸癌においてもHath1遺伝子の発現を認めるがHath1蛋白の発現を認めないことから、Wntシグナルの破綻が未分化の維持だけでなく分化誘導の積極的な阻害が発癌に関与することが示唆された。一方でNotchシグナルに関してはNotch阻害剤の処理にて大腸癌細胞株のHath1遺伝子の増加とともに分化を誘導することに成功した。また個体レベルにおいてもマウスにNotch阻害剤の処理にて腸管上皮の杯細胞の増加を認め、分化誘導が確認できた。 以上よりHath1遺伝子発現をNotchシグナルがHath1蛋白安定性をWntシグナルが制御することで腸管上皮細胞の分化調節を行うことが示唆され、両者シグナルのクロストークによる調節機構を証明できるなど多大な成果を挙げた。
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