研究課題/領域番号 |
17209034
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 敏郎 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (10114125)
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研究分担者 |
高橋 克敏 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (00292863)
一色 政志 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (70302734)
安東 克之 東京大学, 医学部・附属病院, 客員准教授 (60184313)
下澤 達雄 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90231365)
長瀬 美樹 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (60302733)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2007年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2006年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2005年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 臓器再生 / メタボリックシンドローム / アルドステロン / 炎症 / 食塩 / アドレノメデュリン / 遺伝子変異 / 脂肪細胞 / 腎障害 |
研究概要 |
本研究ではメタボリックシンドロームの新規治療の開発において以下の点に着目して検討を行った。1)食事性因子としての食塩の効果、2)酸化ストレス制御、3)アルドステロン受容体制御、さらにこれらの制御による臓器再生の促進作用を検討した。一方で新たな治療ターゲットとなりうる候補遺伝子を探索した。 その結果として我々はアルドステロンの生理作用として血管内皮に対するgenomic,non-genomic作用が反対の性格を持つことを明らかにした。一方でアルドステロン受容体のブロックが各種メタボリックシンドロームモデルにおいて臓器保護に有用であることが明らかとなった。この作用は食塩負荷状態にも認められ、内因性アルドステロンの作用とは別の機序で作用することが明らかとなった。 さらに、アドレノメデュリン欠損マウスを用いて我々は白金ナノコロイドが酸化ストレスを強力に抑制し、メタボリックシンドロームに重要な役割を果たすインスリン抵抗性を改善し、また、血管障害を改善することを明らかにした。この血管障害発症には炎症も重要な因子であるが、血管炎症におけるMac-1の作用を明らかにしたことで、新たな治療ターゲットとなりうることがわかった。 Side population細胞(SP cell)は腎臓の再生能力に深く関与する幹細胞と考えられているが、このSP cellはアルドステロン、アンジオテンシンII、TGF beta,TNF alphaなどによりその機能が抑制されること、また、これらの液性因子を制御することで効率よく障害をうけた臓器の再生が行える可能性が示された。最後にメタボリックシンドロームモデル動物の遺伝子解析の結果KAT-1遺伝子の異常が糖代謝、血圧調節に重要な役割を果たすことがわかり、ヒトにおける相同遺伝子の解析から、SNPsが存在することも明らかにした。今後本遺伝子の機能の解析や疾患との関連の解析を行っていく予定である。 本研究から従来は注目されなかった因子が新たな治療ターゲットとなりうる可能性が示され、次世代のメタボリックシンドローム治療開発に役立つ情報を発信することができた。
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