研究課題
基盤研究(A)
最近、膵島移植が臨床的に確立してきたことから、膵臓を対象とした再生医学の進展に大きな期待が集まりつつある。特に未分化な幹細胞や前駆細胞を分離した後、その分化・増殖を制御することにより、膵β細胞を人為的に創出しようとする試みに期待が集まっている。しかしながら、他の組織と同様、膵臓に幹細胞や前駆細胞が存在するのか、存在するのであれば何処に局在するのかという問いに対する明確な答えは出ていない。そこで、本研究では膵管上皮に特異的な細胞表面分子の発現を指標として、高い増殖能と多分化能を兼ね備えた膵幹/前駆細胞をフローサイトメトリー(FACS:fluorescence activaied cell sorting)を用いて分離し、その局在部位が膵管上皮であることを明確化した。すなわち、膵臓において膵管上皮細胞に特異的に発現していることが知られているサイトケラチン7(CK7)の発現を指標として、CK7陽性細胞に共発現している細胞表面分子としてCD133を同定し、その発現を指標としてフローサイトメトリーで分離したCD133+CD34-CD45-Ter119-細胞画分に限定的かつ高頻度にクローン性コロニー形成能を有する細胞が含まれていることを明らかにした。これらのクローン性コロニーにおける各種細胞分化マーカーの発現解析では、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなどの膵内分泌細胞マーカー、アミラーゼなどの膵外分泌細胞マーカー、サイトケラチン7などの膵管上皮細胞マーカーを発現した細胞がそれぞれ存在することが確認されたことから、CD133+CD34-CD45-Ter119-細胞は複数の異なった膵細胞系列に分化することのできる多分化能を有していることが明らかとなった。本研究により、高い増殖能と多分化能を兼ね備えた膵幹/前駆細胞が膵管上皮中に存在することが明確化された。
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