研究分担者 |
島津 元秀 慶應義塾大学, 医学部, 客員教授 (70124948)
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
河地 茂行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80234079)
成松 久 産業技術総合研究所, 糖鎖医工学研究センター, 副研究センター長 (40129581)
|
配分額 *注記 |
31,980千円 (直接経費: 24,600千円、間接経費: 7,380千円)
2006年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2005年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
|
研究概要 |
ABO血液型不適合移植は,グラフト上の血液型抗原とレシピエント血清中の抗血液型抗体との抗原抗体反応により激しい拒絶反応が起こるため,治療成績が極めて不良である. ABO血液型不適合移植の新しい治療戦略として,RNA interferenceおよび糖分解酵素を用いてA型抗原およびB型抗原を制御する方法を検討した. 【RNAiを用いた血液型抗原の制御】ABO血液型遺伝子に対するsmall interferenceRNAを作成し,A型およびB型抗原を発現している癌細胞株(SW620,LoVo, SW48)にtransfectionしたところ,ABO血液型遺伝子のmessenger RNAが70〜80%抑制されたことがreal time RT-PCRにより確認された.しかしながら,flow cytometryとwesternblottingにより,ABO血液型抗原の発現は抑制されていないことが確認された. 【糖分解酵素を用いた血液型抗原の制御】A型赤血球にα-N-acetylgalactosaminidaseを反応させたが,完全にA型抗原を消失させるにはいたらなかった.B型赤血球とα-galactosidaseを反応させたところ,B型赤血球上のB型抗原は完全に除去され0型赤血球に変換されたことが,flow cytometryにより確認された.AB型赤血球とα-galactosidaseを反応させると,AB型赤血球上のB型抗原は完全に除去されA型赤血球に変換されたことが,flow cytometryにより確認された.A型およびB型抗原を持つ癌細胞株(SW48)にα-galactosidaseを反応させると,A型抗原のみを持つ細胞に変換された.以上より,酵素を用いて血液型抗原を除去することができた.
|