研究課題/領域番号 |
17251010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
石原 潤 奈良大学, 文学部, 教授 (70080265)
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研究分担者 |
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
小島 泰雄 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 准教授 (80234764)
小野寺 淳 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (50292206)
松村 嘉久 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (80351675)
高橋 健太郎 駒澤大学, 文学部, 准教授 (30339618)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2007年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2006年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2005年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 中国西北地区 / 改革開放 / 西部大開発 / 生活空間 / 少数民族 / 寧夏回族自治区 / 銀川市 / 同心県 / 西部開発 / イスラム / 回族 / 生態移民 / 甘粛省 / オアシス空間 / 酒泉 / 新農村建設 / 退路進庁 / 中国陜西省 / 西安市 / 韓城市 / 都市化 / 城中村 / 観光開発 / 商品作物 |
研究概要 |
中国の西北地方は厳しい乾燥気候と複雑な民族構成を特徴とし、東部沿海部から最も離れた最内陸部を構成しており、中国における低開発地域である。現在中国政府は、いわゆる「西部大開発」政策により、この地方にインフラ整備を中心とした重点的投資を行っているが、本研究の目的は、改革開放政策や「西部代開発」政策が、当地域の産業・労働市場・地域社会を如何に変容させ、住民の生活空間や生活のありようを如何に変えたかを明らかにことにあった。 この目的を達成するため、当研究チームは、初年度は西北地区の入り口に当たる西安市と陜西省の農村部において、2年目は西北地区を最も代表する甘粛省の特に酒泉オアシスにおいて、3年目はイスラム系少数民族地域である寧夏回族自治区において、それぞれ現地の研究者達と共同調査チームを形成し、インテンシブな現地調察を実行した。その結果明らかになった主要な点は、以下のとおりである。(1)西北地区でも省都や地区中心など上位の行政センターでは急速な都市化が進み、マンション建設ブームや「城内村」問題の発生が見られる。(2)西北地区でも高速道路の延伸により商品の広域流通が可能になり、また小売部門でも所得の向上により露天市場の「退路進庁」やスーパーマーケットの普及が見られる。(3)しかし農村部は概して貧しく、出稼ぎや「生態移民」を志向する地域が多く、農民の移動性は意外に高い。(4)その中にあってごく限られた農村地域では、商品作物(タマネギや花サンショウなど)の栽培によって相対的に高い所得を得ている。(5)西北地区の少数民族は、固有の宗教的ネットワークを維持し、開放政策下では民族文化を復興させようとしている。(6)西北地区に豊富な歴史遺産と並んで、このような民族文化は、他方で急拡大するマス観光の対象とされつつある。
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