研究分担者 |
横山 祐典 (横山 裕典) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (10359648)
鈴木 淳 (独)産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
小田 啓邦 (独)産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90356725)
大河内 直彦 (独)海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (00281832)
木元 克典 (独)海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (40359162)
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配分額 *注記 |
37,830千円 (直接経費: 29,100千円、間接経費: 8,730千円)
2007年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2006年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2005年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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研究概要 |
熱帯域の環境復元材料としてサンゴ骨格中の酸素同位体比の極値を用いて亜熱帯域の石垣島のサンゴ骨格中の酸素同位体比の温度依存性を求めた.各年の水温の夏期・冬期の極値,およびサンゴ骨格中の酸素同位体比率を比較・解析した.この結果,従来考えられていたように石垣島周辺の海水の酸素同位体比は年間を通じて一定ではなく,蒸発の影響を受けて夏期は高く,冬期は低く変動しており,それによって見かけ上,サンゴ骨格中の酸素同位体比の温度依存性が低くなっている可能性も示唆された.冬期の石垣島の水温,1971~1987年にかけては,季節風の強さを表すモンスーンインデックスと良い対応を示したのに対し,1988年の高水温,1988/1989のレジームシフトによる水温上昇の後は対応がみられなくなっていた.このことから,レジームシフト以前,以後で冬期の水温を決定する主たる要因が変化したことが示唆され,サンゴ骨格中の酸素同位体比にもこの変動が記録されていた.石垣島の冬期の水温は石垣島近傍の気象的要因によってのみ決定されるものではなく,少なくともシベリア東部,太平洋中緯度地域という,数千キロ以上の空間的広がりもった地域と関連を持って変動していること,そしてそれがサンゴ骨格中の酸素同位体比に記録されているが明らかになった.本研究で用いられた柱状試料を,さらに過去にさかのぼって分析していくことにより,測器によるデータの存在しない時代に起こっていた気候変動が復元され,地球規模の気候システムの変遷の復元の一助となることが期待される.
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