配分額 *注記 |
22,880千円 (直接経費: 17,600千円、間接経費: 5,280千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2006年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2005年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
ソンクラー湖はタイ南部に位置する海跡湖であり,長さ3kmほどの水路によりタイ湾につながる汽水湖である.その面積は1,082km^2で琵琶湖の1.6倍ほどであるが,水深は平均で1.5〜2.0mときわめて浅い.ソンクラー湖では近年水質の悪化が問題となっている.この水域ではスズキ(sea-bass)の養殖が盛んにおこなわれており,この地域の大きな産業となっている.ただし,同湖では養殖規模に関する規制も行われず,過密養殖が原因と考えられる養殖魚の斃死が頻発している.このため,同水域における水理・水質変動機構を明らかにし,さらに最適養殖規模の提言を行うことを最終目的として現地調査および数値シミュレーションを実施した. 現地観測は2007年10月にヨー島の周辺において実施された.その結果,これまでの実測と同様に,水質項目の周日変動が顕著であり,夜間の酸素消費と昼間の光合成が支配要因であることが確認された. また,高密度の魚の養殖が行われてヨー島周辺付近の流動の詳細を再現するために,数値シミュレーションを実施した.基本方程式は曲線座標系で表示された平面二次元浅水流方程式であり,これを差分法で解くことにより,潮汐運動に伴う湖内の流動運動を再現した.数値計算の計算には今年度までの実測で得られている水理データを使用した.計算結果は,実測により得られた水位変動・流速変化をきわめて良好に再現しており,数値計算手法の精度を確認することが出来た.また,養殖が盛んに行われているヨー島周辺では流れが対流しており,水質が悪化しやすいことが判明した. さらに,現地を訪れた際に,地元の行政関係者,漁業者,研究者を対象にセミナーを開催し,これまでの成果をもとに,地元へ向けた啓蒙活動を行った.
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