配分額 *注記 |
14,970千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
今回,我々はBrdU birthday labeling法を用いて,詳細にマウス・リーラー,ヨタリ,対照動物のE10,E11,E13,E15,E17,E19の時期の妊娠マウスにBrdUの腹腔投与を行い,P7あるいはP10に灌流固定を行った。パラフィン包埋を行い,矢状断もしくは前額断の完全連続切片を作成し抗BrdU抗体を用いて免疫染色を行った。その結果,リーラー,ヨタリ共にE10-12期に標識される皮質第6層相当の標識ニューロンが,皮質の表層および深層に二峰性に分布することが判明した。さらに皮質第5層に相当するE15標識ニューロンが皮質の全層に分布し,皮質第6層ニューロンと第5層ニューロンの相対的位置が必ずしも逆転ではないことが証明できた。reelin遺伝子欠損変異マウスリーラーでは大脳皮質の各層が放射軸方向に逆転とされているが、層特異的遺伝子マーカーを用いたin situ hybridization法によって生後10日目のリーラー大脳皮質の形態異常について調べた結果と一致する。すなわちTbr1、RORb、mSorLAのRNAプローブを用いてin situ hybridization後、2次抗体としてanti DIG(digoxigenin)-APを用いた。基質としてNBT/BCIPを用いアルカリホスファターゼ発色を行った。正常大脳新皮質ではmSorLAが2/3層に,RORbの発現は4層に極めて強く5層にも若干のRORb発現細胞を認めた。Er81は5層に,Tbr1の主な発現は6層である。層構造が明瞭な一次体性感覚野のバレル領域に注目すると、各遺伝子マーカーで観察されるような層構造がリーラーでは極めて不明瞭になっていることが分かった。以上の結果から、リーラー大脳皮質における神経細胞移動異常の様式について新しい知見を得ることができた。
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