研究課題/領域番号 |
17300117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
柳 茂 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60252003)
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研究分担者 |
福田 敏史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (50372313)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 1,290千円)
2007年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 神経ガイダンス / セマホリン / CRAM / CRAG / 活性酸素種 / PML body / 転写制御 / ユビキチン化 / 脳神経 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
反撥因子セマフォリンは神経ガイダンスを制御する。その細胞内シグナル伝達に関与する分子としてCRMPファミリータンパク質の機能が注目されている。私たちは新規CRMPファミリータンパクであるCRAM(CRMP5)を同定し、続いてCRAMの結合する新規GTPase,CRAGの同定に成功した(J.Cell Biol.2006)。 マウス後根神経節細胞をセマフォリン3Aで刺激するとCRAGは速やかに核移行し、核内においてユニークな封入体を形成した。活性酸素種(ROS)消去剤を添加しておくと、この核移行現象が認められなくなることより、ROSがセカンドメッセンジャーとしてCRAGの活性化と核移行を促進していることが明らかとなった。このことより、セマフォリンはROSをシグナル伝達に用いてCRAGを活性化し核内に情報を伝達していることが強く示唆された。さらに、CRAGは核内のPML bodyと会合してPML bodyのリング状の形態変化を誘導し、スモ化からユビキチン化を誘導したことから、CRAGは活性酸素種のシグナルを核に伝達し、何らかの転写因子の発現を制御している可能性を示唆した。これらの研究成果より、セマフォリンシグナルにおいて新しい核内レドックスシグナル経路の存在を示すことが出来た。 一方、CRAGのよるPML bodyの形態変化はポリグルタミン病の病理所見に近似していることより、関連性を解析した結果、原因タンパク質であるポリグルタミン変性タンパク質を核移行させて、分解を促進する活性が見出された。この結果より、CRAGがポリグルタミン病の遺伝子治療に使用できるのではないかと考えて、検証してみたところ、ポリグルタミン病モデルマウスの症状を劇的に改善することを明らかにした(EMBO R.2008)。ヒトへの応用も大いに期待できる。
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