研究課題
基盤研究(B)
幼若Wistarラットの延髄冠状断スライスからパッチクランプ法で孤束核ニューロン膜電流を記録した。1.細胞周囲にDMNPE-caged ATPを満たし、今回開発した「flash-and-flush法」によって局所的(約3μm)かつ時間限定的(数100ms)作動物質濃度上昇を起こし、その影響を観察した。その結果、200-1000ms以内の短潜時で最大瞬間頻度約60events/sという著明な活動電位非依存性EPSC(mEPSC)頻度増加が観察された。この増加はPPADS(40μM)で完全に遮断された。2.このEPSC頻度増加は、ATP濃度上昇時間に対応して持続し、樹状突起上のレーザー照射部位に数μmの空間分解能で依存し、シナプス後ニューロンの活動電位頻度を増加させた。3.α,β-methyleneATP(αβmATP)100μMによるmEPSC頻度上昇を示すニューロンにおいて、グリア細胞特異的TCAサイクル阻害薬fluoroacetate(FA,5mM)は自発mEPSC頻度を有意に減少させた。4.P2Y_1受容体作動薬2-methylthioADP(2mSADP)はmEPSC頻度を有意に増加し、この作用は、P2X受容体遮断薬trinitrophenylATP(10μM)およびFAによって有意に抑制された。FAはαβmATPの促進作用に影響しなかった。5.αβmATPによるグルタミン酸放出促進は、A-317491で消失し、P2X4サブユニット欠損マウスでもほぼ同様に観察された。以上より、アストロサイト・ネットワークの活性化がアストロサイトからのATP放出とそれによるシナプス前P2X_<2/3>受容体の活性化を介した自発的グルタミン酸放出を直接誘発してニューロンの活動なしに一次求心神経-二次ニューロン間シナプス伝達を促進する可能性が示された。
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