配分額 *注記 |
12,920千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 1,020千円)
2007年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2006年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
1.組織のリモデリングを考慮した靭帯再建デバイスの最適設計 疎に繊維が配置しているポリエステル不織布を用いて,繊維間に骨の再生を促進することにより不織布試験片と骨組織との生物学的固定を実現することを目指した.ウサギの前十字靭帯の再建実験を行い,接合強度の測定と組織観察を行ったところ,キチンを塗布された不織布を用いたグラフトで再建した揚合について,繊維間における顕著な骨組織形成の促進と接合強度の倍増を確認でき,生物学的な靭帯の固定に成功した.また8週の時点での機能性も十分であり,靭帯の再建に有効であった. 2.コラーゲン線維のリモデリング誘導による経皮端子/人工歯根の軟組織への生物学的固定 経皮端子/人工歯根への応用を目的として,生体側のコラーゲン線維のアンカリングが自己組織化的に生じるマイクロ構造を持つ試験片を作製した.ラット背部皮膚に,皮膚を貫通するように試験片を埋植する実験を行ったところ,アンカリングのための構造を持たない試験片では全試料が脱落したのに対し,アンカリングのための構造を有する試験片では有意に脱落が少なかった.また組織学的にも,コラーゲン線維が人工材料にアンカリングしていることが証明できた. 3.培養線維組織への力学的荷重負荷と組織のリモデリング 培養中でも光学顕微鏡で観察可能な薄い線維組織であるラット大腿筋膜に規定の伸張を与えつつ培養し,コラーゲン線維の配向および力学特性の変化を観察した.その結果,無荷重状態では線維の配向が乱れ,組織の柔軟性も失われるのに対し,小さい伸張を経時的に与えた場合には,線維の配向が保たれ,組織の柔軟性も増した.一方,大きな伸張を一度に与えた場合には,線維の配向が保たれるものの,組織の柔軟性は変らなかった.このことより,適度な大きさの力学刺激により,コラーゲン線維の構築が再構成され力学特性も適応することが分かった.
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