研究課題
基盤研究(B)
Twist-1の骨分化に与える影響を調べるために、Twist-1強発現ベクターを骨前駆細胞のC3H10T1/2に導入し、安定形質転換株を得た。C3H10T1/2の野生株にBMP2をかけると骨分化マーカーが上昇するが、Twist-1強発現株ではalkaline phosphataseやosteopontin, osteocalcinのBMP2による誘導も抑制された。そこで骨分化を促進するためにTwist-1のsiRNAをc3H10T1/2細胞に導入することにした。正電荷型ゼラチン修飾或いは磁性粒子修飾HVJ envelope vectorによりsiRNAを導入すると、骨形成が促進された。BMPの刺激によってSmad1は核内に移行し、Twist-1と共存することからTwist-1がSmadと相互作用について免疫沈降法で調べるとTwist-1とSmadの結合が示唆された。Twist-1の共沈実験より、E47とTwist-1の相互作用が明らかになり、E47遺伝子の発現により、Twist-1の安定性が増加することが明らかにされた。一方、IdlはTwist-1の分解を促し、結果的に骨分化を促進することがわかった。E47存在下でもId1の発現によりTwist-1の分解が促進されることがTwist-1のpulse-chase実験で明らかになった。次にTwist-1を安定に発現する骨芽細胞株MC3T3-E1でTwist-1をFlag抗体で免疫沈降させた分画の中に、ピストン脱アセチル化酵素(HDAC)1が共存すること、さらにその中にはSmad4が存在すること、がわかった。しかしSmad1は共沈しなかった。以上より、Twist-1のBMPシグナルの抑制はTwist-1がHDAC1をリクルートすることによってSmad4による転写活性化を抑制していることが原因であろうと考えられる。
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