研究課題
基盤研究(B)
ボツリヌス毒素は、1分子の神経毒素(約150kDa)に非毒非血球凝集素成分(NTNHA)と3種の血球凝集素成分(HA)サブコンポネントの合計5種のタンパク質が非共有結合的に会合し、650kDaのサブユニット構造の複合体として培養液中に産生される。サブユニット構造は、毒素が消化管での酸性条件や種々の蛋白分解酵素に曝されるという過酷な条件下でも強い耐性を示し、神経毒素を腸管から標的細胞に送達するという特異的な構造を有している。本研究の最終目標は、神経毒素が除かれた無毒成分複合体を運搬役として新たな医療用蛋白ペプチドなどを経口的に送達するシステムの構築である。本研究の成果として、D型ボツリヌス毒素複合体を用いて再構成複合体および単体分子に対するトリプシン感受性実験により、毒素複合体における全構成成分の立体配置を提案した。また、培養液中における分子量の異なる複合体種が存在することを、各構成成分のmRNA発現の定量的検出、遺伝子産物の定量により説明した。さらに培養細胞を用いて毒素複合体の取り込みと輸送経路についても報告した。電子顕微鏡観察により、毒素複合体が楕円体に3本の"腕"状の突起を有する特異的形態を初めて捉え、構成成分の一部であるHA-33/HA-17複合体の結晶化に成功した。このことにより、従来、12量体と推測されていた毒素のサブユニット構造は、実際には、神経毒素およびNTNHAが各1分子、HA-70が2分子、HA-33およびHA-17が各4分子からなる14量体サブユニット構造を明らかにした。極めて近い将来の革新的薬物送達システム構築に向けての基礎とすることが出来た。
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